治療をしない選択は「放置」ではありません
治療をしないという言葉には、どこか後ろめたさがつきまといます。
しかし医療においては、
- がん(腫瘍)治療には「積極治療」「緩和中心」「経過観察」など複数の選択肢があります
- 治療をしない判断も医学的に合理的な場合があります
- 重要なのは延命と生活の質のバランスです
という複数の選択肢があります。
治療をしない=何もしない
ではありません。
その子にとって
「いま何を優先するか」を選ぶことも、
れっきとした医療的判断の一つです。
治療を選ばない判断が出てくる理由
実際の現場では、治療を選ばない、あるいは積極治療を見送る判断が出ることもあります。
その理由はさまざまです。
高齢である
体力が十分ではない
副作用の負担が
大きい可能性がある
治療による延命効果が
限定的である
生活の質が大きく
下がる可能性がある
一方で、
- 「何もしないのはかわいそうではないか」
- 「後悔するのではないか」
という不安も当然生まれます。
大切なのは、不安や罪悪感で決めないことです。
その子にとっての優先順位を考える
がん(腫瘍)治療では、
- どのくらい延命が期待できるのか
- その期間の生活の質はどうか
- 通院頻度や身体的負担はどの程度か
- ご家族の生活とのバランスはどうか
といった要素を総合的に考えます。
「正解」は一つではありません。
大切なのは、
- 何を一番大切にしたいのか
- その子らしさとは何か
- ご家族としてどんな時間を過ごしたいのか
を整理することです。
腫瘍科医としての考え方
腫瘍科医は、常に“積極治療を勧める立場”ではありません。
私たちが重視しているのは、
- 科学的な根拠
- 予後の見通し
- 治療による利益と負担のバランス
- その子の状態とご家族の希望
です。
治療を行うことが最善な場合もあれば、行わない選択が穏やかな時間につながることもあります。
腫瘍科セカンドオピニオンでは、現在提示されている治療の
- 目的
- 期待できる効果
- 想定される副作用
- 行わない場合の経過
を客観的に整理します。
主治医の方針を否定するものではなく、判断材料を増やすための診察です。
相談によって整理できるポイント
セカンドオピニオンでは、次のような点を確認できます。
- 本当に今、積極治療が必要な段階なのか
- 治療を行った場合の具体的な見通し
- 治療を行わない場合の予測される経過
- 緩和ケアという選択肢の位置づけ
- 「後悔しにくい判断」をするための視点
迷いがあること自体は、間違いではありません。
むしろ、真剣に考えているからこそ生まれる迷いです。
感情に押されて決めるのではなく、情報を整理したうえで選択することが、その子にとってもご家族にとっても大切です。
よくあるご質問
がん治療をしない選択は間違いですか?
いいえ、必ずしも間違いではありません。
がん(腫瘍)の種類や進行度、年齢や体力、治療による負担によっては、積極的な治療を行わない判断が医学的に合理的な場合もあります。
重要なのは「延命」「生活の質」「負担」のバランスを整理したうえで選択することです。
積極的な治療をすれば治せるのか?
がん(腫瘍)の種類や進行度によって様々です。初期であっても完治できないものもあります。また、完治できる種類のがん(腫瘍)であっても、全身に広がっていて治せないタイミングの可能性もあります。
高齢犬のがん治療はどこまで行うべきですか?
一律の正解はありません。
高齢であること自体が治療不可の理由にはなりませんが、体力や基礎疾患、治療後の生活の質を総合的に考える必要があります。
期待できる延命効果と負担の大きさを比較しながら判断します。
延命治療と生活の質はどちらを優先すべきですか?
どちらか一方を絶対に優先すべきという決まりはありません。
治療の目的が「根治」「延命」「症状緩和」のどれなのかを整理し、その子とご家族にとって何を大切にしたいのかを明確にすることが重要です。
治療をしない場合、何もできないのでしょうか?
いいえ、何もできないわけではありません。
症状を和らげる治療(緩和ケア)や、生活の質を保つためのサポートなど、できることは多くあります。
積極治療を行わない選択でも、医療的な関わりは継続できます。
セカンドオピニオンでは何を確認できますか?
現在提示されている治療方針の目的、期待できる効果、副作用の可能性、治療を行わない場合の見通しを整理できます。
主治医の方針を否定するものではなく、判断材料を増やすための相談です。
それでも迷いが残る方へ
もし、
そもそも診断内容が十分に理解できていない
検査結果の意味が整理できていない
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検査結果や診断内容がよく理解できなかった方へ
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