アイビーペットクリニック ≫ 腫瘍科診療

大和市の中央林間にある動物病院です。
ホームセンター・コーナンさんの正面にあります。お気軽にお越しください!
アイビーペットクリニック神奈川県大和市中央林間2-13-15の動物病院

大和市の動物病院アイビーペットクリニック|神奈川県大和市中央林間2-13-15

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『小さなしこりだから大丈夫でしょ?』
『様子をみてたらしこりが消えないかな?』
『きっと虫に刺されただけだよ…ね?』

ワンちゃん、ネコちゃんのしこりを見つけても、
このように受け止めていることが多いのではないでしょうか。

また、『腫瘍』≒『もう助からない』というイメージも強いと思います。
それは、腫瘍の診断・治療が後手に回ってしまった場合のことです。

腫瘍だったら怖い。
だからしこりの正体を突き止めるのを後回しにしよう…
という気持ちは誰しも持っているものです。
しかし、早期に見つけ、適切な診断・治療ができれば、
治せる腫瘍や、痛みや苦しみを抑えつつ長く付き合える腫瘍もたくさんあります。

ワンちゃん、ネコちゃんの寿命が伸びるとともに
ペットの2~3頭に1頭は腫瘍で亡くなる時代になってきました。
これは人間と変わりありません。

もちろん『早期発見、早期治療』がポイントであることも人間と同じです。
しかし、体調の異変を話せないペット達の腫瘍を
『早期発見』するのは容易ではありません。

腫瘍の80%は体の表面にできます。
ちょっとしたしこりでも見つけたらご相談ください。

残りの20%は体の内部にできます。
なんとなく体調が悪い、治療中の病気がイマイチ良くならない…など、
体内の腫瘍のサインかもしれません。
気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

治せる腫瘍は、適切に治療し、長期にわたり再発のチェックを!
治せない腫瘍は、苦しむことなく穏やかに過ごせるように工夫を!
命に関わる病気だからこそ、動物-ご家族-獣医師の連携が非常に重要です。

1頭でも多くの子の腫瘍を治し、治せない子も穏やかに最期を迎えられるように!
それが、私達の願いです。

獣医師・宮澤 裕


 腫瘍にはたくさんの種類があります。
 放置しても良いものから、急いで治療に入るべき危険なもの、
 発見した時点で余命の短いものまでいろいろです。
 『しこり』の見た目で、どの腫瘍か決め付けることは危険です。
 ワンちゃん、ネコちゃんに負担のかからない検査から始め、
 『腫瘍の正体』を突き止めること、
 『全身のどこまで』腫瘍の影響を受けているのか把握すること、
 この2点が腫瘍との闘いの始まりです。
 見た目で『良性ですね、放置しましょう』と言えることはありません。



 ワクチンで使う細い針で、しこり内の細胞を少し採取します。
 その細胞を顕微鏡で確認し、どの腫瘍か評価します。
 特徴的な細胞であれば診断に至りますが、ごく少量の細胞なので、
 『おそらく良性』や『たぶん悪性』としかわからない場合もあります。

肥満細胞腫.jpg
肥満細胞腫

悪性腫瘍の1種です。
細胞内に独特な紫色の顆粒を持つため
細胞診でも診断がつきやすいものです。
半端な手術は悲惨な結果となります。


リンパ腫.jpg
リンパ腫

免疫を担当するリンパ球が
悪性腫瘍となったものです。
血液の腫瘍ですから手術ではなく、
抗がん剤を中心とした治療が基本です。



Tru-cut.jpg
 やや太目の針で、
 しこりの内部をくり抜きます。
 採取される細胞の量が増えるため、
 診断精度が高まります。
 しこりの内部には神経がないため
 痛みはありません。



メス.jpg
 麻酔下での小規模な手術でしこりの一部を切除し、
 病理検査によってしこりの正体を突き止めます。
 半端にメスを入れると悪化する腫瘍もあること、
 麻酔をかける必要があることから、
 頻繁に行う検査方法ではありません。



顕微鏡.jpg 採取した細胞や、切除した組織を
 顕微鏡の専門家に評価してもらいます。
 これにより腫瘍の正体がわかれば、
 最適な選択肢を選ぶことができます。
 また、外科手術で摘出した組織も病理検査を行い、
 補助治療の必要性などを評価します。
 摘出した組織の病理検査をしないのは危険です。



 上記の検査は、『腫瘍の正体を知るための検査』でした。
 レントゲンやエコーは、『腫瘍があるかどうか』の検査です。
 体内の腫瘍を探したり、他の臓器にできた腫瘍が
 肺転移していないか探したりが目的となります。
 手術後の経過チェックとして胸部の撮影をすることもあります。

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乳腺腫瘍

悪性の乳腺腫瘍の肺転移です。
ワンちゃんを横から撮影した画像です。
大小さまざまな白い丸が転移巣です。
こうなると残された人生を少しでも
快適にするための『緩和治療』です。

組織球肉腫.jpg
組織球肉腫

非常に悪性度の高い腫瘍の1つです。
腫瘍によって左脚の骨が破壊され
骨折しています。
周りの組織も右脚の倍くらいに
腫れ上がっています。



 レントゲンと同様に、『腫瘍を探す』ための検査ですが、
 エコーは内臓の内部の腫瘍を探します。

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肝細胞癌

肝臓内にわずか1cm弱のしこりが
みつかりました。
細い針で細胞を採取し細胞診で
しこりの正体を突き止めます。


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腎臓型リンパ腫

左右の腎臓がかなり巨大になっています。
細胞診でリンパ腫と確定しました。
抗がん治療により腎臓は通常サイズまで
縮小しました。


 外科手術、化学療法、放射線治療が『がん治療の3本柱』です。
 腫瘍の種類によって、効果のある治療法が異なります。
 腫瘍の種類を正確に診断してから、
 最も効果的な治療法を選ぶことが重要です。

 また、治療法によってその副作用も異なります。
 『腫瘍』≒『副作用との闘い』というイメージをお持ちの方も
 少なくないと思います。
 しかし、それぞれの治療法に特有の副作用を把握し、
 その対策をしていれば、それほど怖い思いをせずに
 拍子抜けされることも多く経験します。



メス2.jpg 麻酔下での外科手術で腫瘍の摘出を行います。
 腫瘍を直接切り取るので、最も即効性があります。
 そして、すべての腫瘍細胞を摘出できれば、
 全くの健康体に戻れます。
 しかし、他の内臓に転移している場合や、血液の腫瘍など
 手術では取りきれないものも多くあります。
 また、悪性の腫瘍ほど、しこりそのものよりも
 大きく切除する必要があります。

黒色腫
   まぶたのフチにできた黒いしこりです。
   まぶたごとの摘出ですが、術後も綺麗に治っています。
GSC_0055.JPG GSC_0315.JPG
        手術前               手術後          



抗がん剤3.jpg
腫瘍細胞の数を減らすことが目的であり、
完全にゼロにすることはできません。
血液の腫瘍などでは、かなりの効果が期待できる
腫瘍もたくさんあります。
また、手術後の補助として使用することもあります。
効果を高め、副作用を抑えるために、
腫瘍の種類、健康状態などに合わせて選択・調節します。


放射線治療.jpg
腫瘍細胞に放射線を照射することで治療します。
照射部位の皮膚炎を起こすことがありますが、
脳内や、鼻の中など、手術ができない部位
腫瘍にも照射できます。
放射線治療を行う場合は、大学病院で
放射線治療専門医が治療を担当いたします。



免疫療法2.jpg
体内の免疫細胞を利用して、腫瘍細胞だけを攻撃するように
教育し、腫瘍を攻撃するのが免疫療法です。
免疫療法にもいくつかの方法がありますが、
基本的には本人への副作用がありません。
しかし、効果が期待できる腫瘍の種類はまだほんの一部です。
腫瘍治療の3本柱でもダメな場合の選択肢として
今後に期待される分野です。



温熱療法.jpg
腫瘍細胞は42.5℃以上の温度で死滅するという
性質を利用した治療法です。
レーザーを用いて腫瘍組織を温めますが、
正常な細胞はなんとか耐えられる温度なので、
軽いやけど程度の副作用しかありません。
メインの治療法として活躍するものではありませんが、
腫瘍治療の補助としての有効性が報告されています。

腫瘍の診断・治療に関しての大まかなご説明でした。
繰り返しになりますが、『早期発見・早期治療』が非常に重要です。
特に『正確な診断』をすること、それに合った
『適切な治療の選択肢』を選ぶことが重要です。
長生きさんが増えるにつれ、腫瘍になる子が増えています。
しかし、腫瘍を克服できた子も増えてきています。

気になることは先延ばしにせず、お気軽にご相談ください。






















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