Q1.レプトスピラ症ってなに?
A.ヒトにも感染する人獣共通感染症です。
細菌による感染症
レプトスピラという細菌による感染症です。
レプトスピラには250を超える種類があり、そのうち7種類が届出伝染病に指定されています。
感染した動物の尿で汚染された『水』や『土』を介してヒトやペットに感染します。
レプトスピラ症に感染したワンちゃんの飼い主様および治療に当たった動物病院スタッフ91名のうち、感染者は0名だったという報告もあるくらい、ワンちゃんからヒトへの感染はまれです。
身近な感染症
ヒトやワンちゃんのレプトスピラ症は全国各地で報告されていいる身近な感染症です。
農林水産省「届け出伝染病の県別発生状況」1998年~2025年の累計
Zoetis社の資料から転載
農林水産省「届け出伝染病の県別発生状況」1998年~2025年の累計
Zoetis社の資料から転載
Q2.神奈川県にもあるの?
A.温暖化にともない急激に増加しています。
かつては、年間でほんの数頭の発生にとどまっていましたが、2022年以降に
神奈川県での発生件数が急激に増加しています。
温暖化の影響、ゲリラ豪雨、アウトドアブームなど様々な要因が挙げられます。
《神奈川県におけるレプトスピラ報告数》
Q3.危険な病気?
A.感染したワンちゃんの約半数が死亡します。
数日の潜伏期間ののちに、発熱や嘔吐がみられます。
適切な治療を受けても 致死率は約50%と報告されています。
また、無事に回復したワンちゃんでも、腎機能が回復しきらずに障害にわたる治療が必要になることがあります。
Q4.生活での注意点は?
A.『水』『ネズミ』がキーワードです。
感染動物の尿で汚染された『水』『土』から感染するため、水辺を避けることが大切です。
ヒトの場合、川遊びやカヌーなどでの集団発生が報告されています。
水辺から離れていても、台風や洪水のあとに感染した例もあります。
これらの理由から、
レジャー、行楽、台風の季節に発生件数が増える傾向があります。
また、ネズミがレプトスピラ症の主な感染源であり、ヒトやワンちゃんへの感染リスクを高めています。
東京の複数地点で捕獲されたネズミの 17%がレプトスピラを保有していたと報告されています。
生活環境、お散歩コース、帰省先、旅行先など、ネズミがいるかどうかの把握が理想です。
Q5.感染を予防できる?
A.ワクチンで感染率を大きく下げられます。
年1回の混合ワクチンで、発症率・死亡率を大きく低下できます。
試験的にレプトスピラに感染させたワンちゃんでは、ワクチンを打ったグループは死亡例はなく、ワクチンを打っていないグループは62.5%ものワンちゃんが亡くなってしまったとのことです。
逆に、感染率・死亡率を大きく低下できるものの、絶対に感染・発症しないというものではなく、ワクチン自体の副作用も考慮が必要です。
《レプトスピラ攻撃試験による死亡率》
Zoetis社の資料から転載
Q6.ワクチンに副作用はないの?
A.副作用は非常にまれです。
レプトスピラワクチンは、その他の混合ワクチンに比べると有害事象の発生率が高いことが知られています。
特に4kg未満の小型犬では、副作用が出やすい傾向があります。
それでも、有害事象全体で0.5%(200頭に1頭)、アナフィラキシーに関しては0.09%(1万頭に1頭)という頻度です。
ワクチンの有害事象・副反応を警戒するか、レプトスピラ感染のリスクを警戒するか、皆様の生活スタイルによって検討が必要です。
Q7.結局どうすればいいの?
A.生活スタイルを踏まえて相談しましょう!
ご家族・ワンちゃんの生活環境・生活スタイルによって、感染リスクが異なります。
特に、帰省先や旅行先には注意が必要です。
体格、持病、年齢によってもワクチンの必要性が変わってきます。
毎年相談しながら決めていきましょう!
Q8.ネコちゃんには感染しないの?
A.外猫さんの3.3%で細菌陽性
外猫さんでもほんの数%しか感染の兆しがありませんが、念のため完全室内飼育が望まれます。
神奈川県でのレプトスピラ急増に対応して、
アイビーではレプトスピラ4種ワクチンを導入しました。
これまでよりも、さらに手厚く感染症から身を守れます。
一方、神奈川で暮らす約45万頭のワンちゃんのごく少数での感染です。
不要なワクチンは健康を害する可能性もあります。
よく相談して接種しましょう!