Category Archives: ワンちゃん関連

ペットの防災対策

こんにちは!今週は看護師の笹原が担当します。今回は【しつけ】とは離れ、動物の防災についてご紹介したいと思います。
最近は地震が続いてますね。皆さん、我が子の防災対策はしていますか?
私は最近ペットが増えたこともあり、今回の地震で見直しをし始めたところです。

基本的な持ち物としては…
【ワンちゃん・ネコちゃん共通】
・ごはん、飲み水、常備薬、食器
→1週間分以上のあったほうがいいと思います。療法食を食べている子は療法食を!

・リード、ハーネス
→リードは伸びないものがいいです。

・キャリーバック
・ワクチン証明書
・狂犬病証明書(犬)
・消臭スプレー、消臭袋
・ペットシーツ(犬)
・トイレ砂(猫)
・タオル
・洗濯ネット(猫)
・ケージを囲う布(猫)
→暴れたりするこの場合は洗濯ネットにいれると逃げません。

その他、『持ち物』ではなく、『準備しておくべきこと』

【ワンちゃん編】社会化のしつけ7つ
1.呼んだらもどっくる
2.ケージやクレートの中で落ち着ける
3.人や動物を怖がらない、攻撃しない
4.家庭以外の場所でも寝れる
5.どこでも飼い主の声を聴いて行動できる
6.目を合わせてコミュニケーションがとれる
7.体のどこを触られても怒らない

【ネコちゃん編】
1.ケージやクレートの中で落ち着ける
2.体のどこを触られても怒らない
3.洗濯ネットに入る練習
4.ハーネスを付ける練習

皆さんのワンちゃん・ネコちゃんはいくつできますか?
防災グッズは使う日なんて来ないのが一番ですよね。
ですが、「備えあれば憂いなし」という言葉もあるので、今から準備しておきましょう。

アイビーでは『ペットのために災害に備えるセミナー』も実施しています。
今年は8月29日に開催予定です。
ぜひご参加ください!

【老化のサイン】について

今回のブログは看護師の北島が担当します。

本日はシニア期の「老化のサイン」についてです。

シニア期のワンちゃん、ネコちゃんは、普段の生活の中で老化のサインを出しています。

明るいシニア期を迎えるために、老化のサインを知りましょう!

《外観の変化(顔、体の全体)》

顔に白髪が出ます。白髪は眼や鼻、口の周りなどから現れ、徐々に体に広がります。

その他に、以下のような変化もよく見られますが、これらは『老化』ではなく、病気のサインのことが多いので注意が必要です。

・毛の質が変わった

・毛ヅヤが悪い

・皮膚が薄い

・皮膚が乾燥してフケが出やすくなった

・皮膚を指で押しても元に戻らない

《眼の奥が白っぽくなる(白内障)》

高齢犬が患いやすい眼の病気の1つが白内障です。

白内障にかかると黒目の部分が白く濁り、徐々に視力が低下します。

悪化した場合には失明してしまため、早期に発見して進行を遅らせることが重要です。

《口臭が強くなる、食欲減少》

口臭の原因で多いのは歯垢や歯石です。

歯垢・歯石によって歯周病を起こし食事をしにくくなることがあります。

また、歯周病が、進行すると細菌が歯肉の血管を通り、心臓や腎臓に重大な病気を引き起こす原因になります。

しかし、歯垢や歯石自体は老化とは関係がありません。

予防としては、普段からの歯磨きが効果的です。

《できものやシミができる》

老化が進むと皮膚にシミや、できものができやすくなります。

できものがイボではなく、悪性腫瘍かもしれません。

新しいできものを見つけたらお知らせください。

《体形が変わる》

食事量やカロリーを増やしていないのに、徐々に太るのは基礎代謝の低下が原因です。

逆に痩せている場合は、病気による消耗や、歯が痛くて食べられないなど、様々な原因が考えられます。

美味しいもので時間を稼ぐことも方法ですが、原因の特定が重要です。

《お尻が小さくなる》

高齢になり足腰の関節に傷みが出てくると、前肢に体重をかけ、後肢にかかる体重を減らそうとします。その結果、丸みを帯びていた後肢や、臀部の筋肉量が減り、お尻周辺が痩せて骨ばるため。お尻が小さくなったと感じるようになります。

《行動の変化》

以下のような行動の変化は、『老化』のこともありますが、関節の痛みや、体のだるさなどの病気のサインのことも多いため、注意が必要です。

・後肢の歩幅が狭くなり、トボトボと小刻みに歩く

・名前を呼んでも反応しない

・遠くのボールを追いかけない

・散歩でよく立ち止まる

・階段をのぼりたがらない →足腰に傷みがある可能性

日々の生活の中で小さな変化は一緒に過ごしているご家族の方が詳しいです。

そして、『老化』による変化と『病気』による変化はほぼ区別がつきません。

変化に気づいてあげるのがご家族の役割です。
その変化が『老化』か『病気』かを区別するのが動物病院の役割です。

病気は何より早期発見が大切です。是非、チェックしてみましょう。

気になることがございましたら、気軽にご相談下さい。

血管性脳障害について

こんにちは!獣医師の五十嵐です。

今回は、アイビーで最近続いている【血管性脳障害】について取り上げようと思います。

【血管性脳障害】は『脳梗塞』『脳出血』などを含む疾患群を指します。
特にキャバリアは起こしやすいようです。

少し前までは、犬猫で脳梗塞や脳出血は認識されていない病気でした。
ここ十数年で犬猫でもMRIを撮れるようになったこと、ペットの寿命が延びたことで認識されるようになってきました。

最大の特徴は”急に”神経症状が出ることです。

『脳梗塞』『脳出血』ともに血管性の障害で、症状で違いを見極めるのは困難です。
共通しているのは、発症から数日は悪化することがあるものの、その後は快方に向かうことが多いということです。

発症時は症状が激烈なので、ご家族はもちろん、慣れていない獣医師は安楽死を選択してしまうこともあるそうです・・・
基本的に治療法はありませんが、食事の補助やリハビリをあきらめずにすることで、通常の生活を送れるまでに回復する子もいます。

症状の強さに惑わされず、あきらめずに支えてあげることが大事ですね!
まずは、我が子の行動がおかしい!と思ったら、なるべく早くご相談ください!

上記のように、回復することも多いのですが、厄介なのは再発しやすいということです。
肥満や高脂血症、高血圧、内分泌疾患などは、【脳血管障害】のリスクが高まると考えられています。
治療できる病気は治療して、再発のリスクを下げておくことも重要です。

年齢やその子の体質に合わせたケアを相談していきましょう!

病気の紹介①

こんにちは、今回は獣医師の阿部が担当いたします。

突然ですがクッシング症候群という病気をご存じでしょうか。

基本的にはワンちゃんの病気で発生率も高い病気です。アイビーでも治療中の子がたくさんいます。

今回はこのクッシング症候群について紹介させていただきます。

クッシング症候群は副腎という臓器から出るホルモンが過剰となり、さまざまな症状を引き起こす病気です。

よく見られる症状に、多飲多尿、多食、腹部の膨満、脱毛といったものがあります。

原因は、以下の2つの場合があります。

①脳の異常が原因の場合(クッシング症候群の85%)

下垂体(脳の一部)が異常に活性化し、「副腎ホルモンを分泌するように」という命令が過剰に出されているため、副腎ホルモンが過剰となっている状態です。

②副腎の異常が原因の場合(クッシング症候群の15%)

副腎が腫瘍となって、副腎ホルモンを過剰に分泌しています。

エコーやホルモン測定をしたりすることで、

「①脳の異常」「②副腎の異常」のどちらかをおおまかに推測することができます。

基本的な治療は多くの場合、内服による内科治療になります。

クッシング症候群の治療は、治すことではなく、生活の質の改善が目的となります。

しかし、治療によって、普通のワンちゃんと同じような生活をおくることができます。

クッシング症候群は『多飲多尿、多食』といった、病気と気づきにくい症状しかない場合もあります。

健康面で気になるところがあるときはぜひご相談ください。

シンパリカの有効期限の延長

ワンちゃん用のノミ・マダニ駆除薬の『シンパリカ』の使用期限が1年延長されました。
メーカーさんが安定性試験を重ね、行政からOKが出たとのことです。
現在流通している製品に印字されている使用期限にプラス1年の保存が可能となります。

お薬の安全性が再確認されたというご案内なので、安心してご使用ください。

メーカーからのご案内

ノミ・マダニは、刺された部位が痒いということ以上に、いろいろな感染症を運んでくることが重要です。
特に、【重症熱性血小板減少症(SFTS)】はいまだに治療法がなく、感染したネコさんの致死率は50~60%と報告されています。
関東ではまだペットでの発症は確認されていませんが、関東の野生動物(外ネコさんやタヌキさん)の感染が確認されているため、油断はできません。
(ペットでの感染は静岡まで北上してきています)

【SFTS】はヒトの場合も治療法がなく、死亡率が約13%と非常に怖い感染症です。(2020年13月30日時点)
獣医師・看護師の感染例も5例報告されていますが、『感染したペットの飼い主様』の感染報告が中心です。

詳細は国立感染症研究所HPへ

気温が上がって過ごしやすくなってきましたが、感染症が活発になる季節でもあります。
加齢によって発症する疾患は仕方ない面もありますが、予防できる感染症はしっかり予防しておきましょう!

獣医師 宮澤 裕