治療法がなく、ヒトの死亡率が20~30%と言われるSFTSを覚えていますか?
気温の高い西日本を中心に発生していましたが、ついに神奈川でも検出されました。
川崎で保護された猫さんです。
診察した獣医師がSFTSを疑い、国立感染症研究所で確定されたようです。
過去に、外猫さんのお世話をしていた女性が感染し、死亡したという報告がありましたね。
獣医師や動物看護師が感染した報告もありました。
≪ネコから獣医師ご看護師へ感染≫
それが他の地域ではなく、ついに神奈川でも・・・。
ざっくりとSFTSを復習しておきましょう。
・マダニが運ぶウイルスが原因の感染症
・ヒトがマダニに刺されて感染する
・感染者数は増えてきている
・マダニに咬まれてSFTSに感染したネコから、ヒトに感染する可能性がある
・治療法はなく、死亡率が高い(日本では2019年末の時点で約14%)
・感染を防ぐことが重要
2019年末までの『ヒト』の感染状況は国立感染症研究所HPで公開されています
≪国立感染症研究所HP≫
感染を防ぐためには…
【ヒトがマダニに咬まれない工夫】
・茂みにはいらない(特に雨の翌日)
・ガーデニングやアウトドア活動は長袖で
【ペットがマダニに咬まれない工夫】
・即効型のノミ・マダニ駆除薬を選択する
・効果が100%の医薬品を選択する
・マダニがついたら駆除ではなく、通年予防
SFTS関連のQ&Aは厚生労働省HPがわかりやすいです。
≪厚生労働省HP≫
海外で新型インフルエンザが問題となっていますね。
温暖化などによる気温の上昇は、ウイルスや細菌など『病原体』が活発になる重要な要因です。
寒い地域よりも熱帯地域の方が感染症が多いのと同じです。
日本だから…、神奈川だから…と慢心しないようにしましょうね!
獣医師 宮澤 裕