Category Archives: 病気のご案内

その行動は正常?異常?シニア期の行動の変化

こんにちは、今回は看護師の北島が担当させていただきます。

今回から、私の担当回ではシニア期をテーマに紹介させていただきます。
ペットの行動は、年齢、身体状態(疾患を含む)、精神状態などにより変化します。
その行動が飼い主様の生活に支障をきたす場合や、ペット自身が障害を受ける場合には『問題行動』と判断されます。

そこで、『問題行動』の中でも『シニア期』と関連するものをご紹介します。

《ワンちゃん》
・人間や他の動物に対する攻撃行動
・不安行動(恐怖、吠え、流涎、警戒)
・活動時間や遊びの減少
・排泄失敗の増加
・昼夜問わず吠える
・家族とのコミュニケーションの変化
・指示に従わない
・家の中や庭で迷う
・睡眠サイクルの変化(昼夜逆転)
・隅や角で動けなくなる

国内の調査では、シニア犬の44%が1つ以上の問題行動の症状を示しています。

《ネコちゃん》
・過剰発声
・排泄問題

アメリカでの調査では、猫の11~14歳齢で家族や同居動物との社会的交流の変化、15歳齢以上では無目的な行動や過剰な発声が多いという結果でした。

上記のリストをご覧いただいて気づいた方も多いかもしれません。

シニア期の『問題行動』の中には、認知症の初期段階や、病気によるものが数多く含まれています。
我が子の行動に異変がみられたら、『シニアだから』と決めつけず、お気軽にご相談ください。

病気であれば、治してしまいましょう。
本当の『問題行動』であれば、親子ともにつらいシニア期になる前に、改善または悪化を防ぐ取り組みを始めましょう!

ヒトは人生100年時代と言われるようになってきました。
ワンちゃん・ネコちゃんも快適な快適なシニア期を迎えられるようにサポートしてあげましょう!

ちなみに9月には【長生き準備コース】が開催されます。ぜひご参加ください!

長生き準備コース①『病気の早期発見』9月6日(日)
長生き準備コース②『ご家庭でできるシニアケア』9月13日(日)

次回のブログ担当は看護師・古川です。お楽しみに!

ワンちゃんもUVケアが大切!

【背部熱性壊死】という病名をご存知ですか?

ざっくりいうと、散歩中の背中の火傷です。
ヒトの【火傷(やけど)】ように赤く腫れぼったくなるだけで済む場合もあれば、重度の場合は手術が必要になることもあります。

2018年の文献によると、手術が必要になった子は12.5%にのぼるようです。

【背部熱性壊死】にかかりやすいワンちゃんの特徴は以下の通りです。
・毛色が濃い
・短毛(最近カットした子も含む)

暑い季節だけに、長毛の子はサマーカットにすることが多い時期です。
日光が皮膚にあたりすぎないように注意が必要ですね。
薄手の上着で直射日光を遮ることで、対策となりそうです。

また【背部熱性壊死】を呈した子達のうち、皮膚症状の前に軽度の熱中症のような症状を呈した子は約25%に過ぎないようです。
つまり、体に熱がたまるほどの長時間ではなくても、強い日差しにあたると【背部熱性壊死】を生じるということです。
涼しい時間帯を選び、水分補給をするだけでなく、直射日光への対策も必要ですね!

皮膚病の多い時期が続きます。
皮膚疾患は見た目の似た多くの疾患があり判断が難しい領域です。
アイビーには皮膚科の得意な獣医師がいますので、自己判断せずにお気軽にご相談くださいね。

《参考文献》
Dorsal thermal necrosis in dogs: a retrospective analysis of 16 cases in the southwestern USA (2009-2016).

獣医師 宮澤 裕

慢性腎臓病でも工夫すれば長生きできます

ネコちゃんの多くがかかる慢性腎臓病。
食欲不振、嘔吐、けいれんなどの症状を呈して、亡くなってゆく辛い病気です。
現時点ではまだ『治す』治療法はなく、『遅らせる』治療を頑張るしかありません。

しかし、上記の図のように『尿蛋白』を低く保つだけでも、生きられる期間が2.5倍近く延ばすことができます。
血液中のタンパクが腎臓を通り抜けて尿に出ていく際に、腎臓を傷めてしまうためです。

尿蛋白を減らす『セミントラ』という内服を使用します。

新型コロナウイルスの影響で、『セミントラ』の流通が止まっています。
8月に再開の予定でしたが、メーカーから年内は再開が不可能と連絡がありました。

セミントラはARBというグループのお薬であり、発売されたのは2014年です。
発売前は、ACEIというARBに近いグループのお薬を使って尿蛋白を低下させていました。
ワンちゃん・ネコちゃんの腎臓病の国際的な団体であるIRISのガイドラインでも、尿タンパクをARBまたはACEIで低下させると明示されています。

《IRISガイドライン》

セミントラを使用していたネコちゃんも、流通再開までは従来のACEIで尿タンパクを押さえながら元気に過ごしましょう!
我が家のネコさんもACEIを飲んでいます!

関連知識として、ここでいう『尿タンパク』は、通常の尿検査でいう『尿タンパク』とは計測方法が違います。
検査センターで特殊な測定をして数値化して判断します。
通常の尿検査で尿タンパクが出ていても焦る必要はありません。

また、食事やサプリでも腎臓寿命が伸ばせることが証明されています。
しかし、タイミングを間違うと逆に健康を害してしまう可能性があります。
命をつなぐためには、正しい知識が必要です。

このブログの内容も数年後には、時代遅れの内容となるはずです。
我が子を大切にする方ほど、WEBや噂の影響を受けやすいよういに思います。
我が子の『今』をもとにリアルタイムで獣医師と相談していきましょう!
アイビーの飼い主様向けセミナーは、内容を修正しながら毎年実施しています。
こちらもご活用ください!
(2020年のネコちゃんの腎臓病セミナーは12月に開催予定です。)

《アイビーの飼い主様向けセミナーはこちら》

獣医師 宮澤 裕

安心・安全バイオウィルが再入荷!

もう、7月です。
今年の半分が終わってしまいました…。

皆さんは、今年の最初に『今年こそ〇〇をしよう!』という目標を立てましたか?

私は、『スタッフが働きやすい環境に!』という目標をたて、今年の前半はなかなか良いペースで頑張れました。
春に加入した新スタッフも、先輩スタッフも良く頑張ってくれました。

アイビーは重い子がたくさん来院されるので、全スタッフがパワーアップすることが大切です。
今年の後半は、さらなるパワーアップが見られそうで楽しみです!


さて、収束しそうで収束しない新型コロナ。
油断せずに消毒や手洗いをしていますか?
外に出ると、ほとんどのお店で、手指消毒用のスプレー剤を置いていますね。

つい最近、『手指消毒用 希釈塩素』というスプレーを置いてある大型店舗がありました。
『塩素系漂白剤』を希釈して消毒液を作る方法が有名となりましたが、これは『物』を消毒するための消毒液です。

ご自身の手指やペットの消毒には使えないので、ご注意ください。

もちろん、アルコール系の消毒液もペットに使えません。
WEB社会の現在では、フェノール系、クレゾール系の消毒液も手に入りますが、これらはペットに使えないを通り越して『中毒』を起こします。

今回、ペットにも安全に使用できる『バイオウィル』が再入荷しました。
アイビーでも使用しており、受付カウンターにも設置しています。
ご来院の際には手指消毒にご利用ください。

ただ、院内用の大きなタンクでの流通のみのため、ご持参の容器への詰め替え販売とさせてください。
公平を期すために、形式上は1家庭3ボトルまでとします。
仮に、3ボトルご購入された翌日にまた3ボトル必要になった…場合は、必要なのであればOKとします。

【バイオウィルの300ml販売】
 ・容器をご持参いただき300mlを計量販売
 ・300mlで1000円
 ・予告なく終了します

診察以外でもワンちゃん・ネコちゃんや飼い主様の生活に貢献できれば嬉しいです。

安全にコロナ時代を乗り切りましょう!

獣医師 宮澤 裕

48分しか生存できません

外気温29℃で密閉環境に置かれたペットが生存できる時間はたった48分間という学術文献があります。

外気温29℃というと真夏ではなくても到達する気温です。
エアコンを切った車内、移動中のキャリーなど、この条件に当てはまる状況は少なくありません。

アイビーにはすでに熱中症の子が来院されています。
特に以下の条件に当てはまると【熱中症】のリスクが高まります。

『動物の要因』
・短頭種
・長毛種
・シニアペット
・若齢ペット
・肥満
・脱水

『環境の要因』
・密閉
・高温
・飲水しにくい環境

気温のアップダウンが激しく体調が不安定になっている中、食品も酸化しやすい時期です。
これらが相まって、嘔吐や下痢で来院される方が非常に多い時期です。
この嘔吐・下痢に対して適切に対応しないと【脱水症】となり、【熱中症】リスクが跳ね上がります。

都市伝説のように言われていた『嘔吐・下痢があったら絶食』というのは、獣医学的にはリスクしかありません。

また、短頭種のワンちゃんはさまざまなメカニズムから【熱中症】リスクは非常に高いです。
これはまたの機会にご説明したいと思います。

『3密』を避けるために飼い主様向けのセミナーを中止していましたが、
今月、アイビーでは《STOP!熱中症セミナー》を開催します。
以下のような『3密対策』をおこないます。
ぜひご参加ください!

アイビーの『3密対策』
・待合室の換気
・低濃度オゾン発生器で空間消毒の徹底
・スタッフの手指消毒の徹底
・参加者用の手指消毒液の設置
・講師の飛沫対策としてマイクを使用

STOP!熱中症セミナー
日時:7月26日(日)
場所:アイビー待合室
講師:アイビー獣医師
費用:無料

《WEB予約はこちら》

正しい知識が我が子を守ります。
今後も『3密対策』を徹底しつつ、飼い主様向けのセミナーを再開していきます。
ぜひご参加ください!

獣医師 宮澤 裕

《参考文献》
Gregory KJ and Macintire DK,Heat-induced illness in dogs:42 cases 1976-1993