お問い合わせが多かったので追記します。
下記でご案内した『バイオウィル』という消毒スプレーはご家庭用に販売も可能です。
2020.03.02
『新型コロナウイルス』の拡大に伴って、ペットを感染症から守るためにどうしたらいいの?という質問が増えています。
当然ですが、ウイルスが入り込むペットの粘膜面をアルコール消毒はできません。
古い報告ですが、オキシドールでのペットの死亡報告もあります。
動物病院では、嘔吐や下痢をしてしまう子もたくさん入院します。
病気のワンちゃん・ネコちゃんが入院する動物病院ではどのように消毒をしているのでしょうか。
1.環境の消毒
アイビーでは、次亜塩素酸という薬剤を噴霧して入院室、診察室などを消毒しています。
畜産家の方や、畜産動物の獣医師が長靴をジャブジャブするアレです。
非常に高い消毒効果があり、ヒトの医療現場でも使用されているハズです。
ご自宅で使うのは現実的ではありません。
実は、ご家庭にある『漂白剤』でも近い効果が得られるんです。
別の記事でご紹介したように、ヒトの感染症の専門家の作成したガイドラインや、役所のHPなどでも紹介されています。
プールのようなにおいがするので、苦手な方もおられるかもしれませんね。
『漂白剤』での消毒液(環境用)の作り方
・5%濃度の漂白剤
・2Lの水
上記の材料を混合し、スプレーボトルでシュッシュして、拭きとりましょう。
2.動物の消毒
嘔吐や下痢をしてしまった時は、すぐにシャンプーしています。
消毒よりもまずは洗浄です。
そのうえで、消毒が必要な場合は、【バイオウィル】という消毒剤を使用します。
最強の耐性菌の一種と言われる『MRSA』や、最強のウイルスの一種と言われる『パルボウイルス』でさえ、数秒で失活します。
ちなみに、『パルボウイルス』は感染犬の便が『小指の先ほど』の量があれば世界中のワンちゃんに感染可能とされるほどの感染力を誇ります。
2月21日~2月23日に開催された獣医内科学アカデミーに参加した際には、アイビーのスタッフは全員がバイオウィルを持参し、手指の消毒などをして身を守りました。
アルコールと異なり、しみることがないため、生体にも安心して使えます。
手が荒れると困る私としては、アルコールよりも強力で、アルコールよりも優しいバイオウィルは安心です。
※ワンちゃん・ネコちゃんにむやみに振りかける必要はありません。
獣医師 宮澤 裕