Monthly Archives: 6月 2021

クッシングは免疫力が下がる!?

好評連載中(?)の【クッシング症候群】シリーズです。
これまでに、以下の点をご紹介しました。
 ・元気そうに見えるため発見しにくい!
 ・体のいろいろな臓器に影響がでる!
 ・複数のタイプがあり診断が大切!

今回ご紹介したいのは、最も厄介な点の『免疫力の低下』です。
目に見えない『免疫力』。
当然、免疫力が低下してしまうと、ちょっとしたことで大きく体調を崩します。

上記クイズの回答はもちろん④です。
怪我が治りにくく、感染症が悪化しやすく、他の臓器の病気も起こりやすくなり、踏んだり蹴ったりです。

特にアイビーでは、腫瘍の子の手術が多いのですが、
『腫瘍による体力低下』+『クッシングでの免疫低下』の組み合わせは非常に厄介です。

手術そのもののリスクも高くなりますが、
手術後に傷がふさがりにくく、なかなか治らない・・・ということに。
これを防ぐために腫瘍の子の手術前には、クッシングも含めた他の病気の総チェックを欠かさず行います。

さて、クッシングではなぜ『免疫力』が低下するのでしょうか。

クッシングのほとんどの症例で副腎ホルモンの『コルチゾール』が過剰に分泌されています。
コルチゾールは体を守るために必要なホルモンですが、過剰になると免疫力が低下したり、血栓が詰まったり、傷が治りにくかったりと、困ったことになります。

皆さんも『ステロイドは副作用が怖いよ!』なんて聞いたことがあると思います。
このコルチゾールというホルモンは、ステロイドの一種なんです。
つまり、クッシング症候群はステロイドを毎日大量に飲み続けている状況と同じなんです。

それでは免疫力も落ちるだろうな・・・。
何事もほどほどが大切なんですね!

獣医師 宮澤 裕

猫用『AIトイレ』が無料!

猫用のAIトイレ『トレッタ』をご存じですか?
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アイビーの患者様にも、トレッタを駆使して体調管理しているネコちゃんがいます。

ネコさんの病気の大半は泌尿器疾患です。
若いネコさんは膀胱炎や尿石症に、シニアネコさんは腎臓病になりやすい傾向があります。
これらを早期発見するために非常に有効な取り組みですね。

そして、多頭飼育の場合も、複数のトレッタが連携して記録を取ってくれるので、問題ありません。

これまで問題だった約2万円の本体費用が無料となりました!
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獣医師 宮澤 裕

クッシング症候群は結局なんなのか?

最近、連載(しているつもり)の【クッシング症候群】って、結局なんなの?
が、今回のテーマです。

先に正解を発表すると④です。

副腎ホルモンが過剰になることが多い『ホルモン(内分泌)系疾患』であり、
副腎自体が腫瘍となっていることもあるので『腫瘍系疾患』でもあり、
脳の一部が黒幕となっていることが多いので、副腎は『遠隔操作』されているだけのこともあります。

前回ご紹介したような『典型的な症状』は、副腎ホルモンが過剰になっているために生じます。
元気に見えて、背景で体を蝕んでいくやっかいな病気です。

《クッシング症候群の典型的な症状》は過去ブログをご覧ください

この過剰なホルモンを合成しにくくするのが『アドレスタン』という内服です。
現在は新型コロナの影響か、流通が非常に少なくなっています。
『ホルモンを合成しにくくする』という、このお薬の特徴に注意が必要です。
あくまでも症状を緩和するお薬であって、原因を解決しているわけではありません。

そして、クッシング症候群の約85%は副腎自体の病気ではなく、脳の一部である下垂体の異常が黒幕です。
この黒幕が副腎を遠隔操作して『副腎ホルモンが過剰』な状況にしているんです。

黒幕がちょっと張り切っているだけであれば、副腎ホルモンを合成しにくくする内服でうまく付き合っていけます。
しかし、黒幕が腫瘍化していたりすると、ホルモンを抑える内服を飲んでもホルモンの上昇が抑えきれません。
その場合は、手術や放射線治療で黒幕を直接たたく必要があります。

さらに厄介なのが、『副腎ホルモン』の中でも、『典型的な症状』とは異なる症状を出す『特殊な副腎ホルモン』を出すタイプや、そもそも『副腎ホルモン』を出していないタイプがあるんです。

もう、本当に大変。

『典型的な症状』ではないタイプは以下のような症状を起こします。
・急に倒れる
・高血圧
・とても心拍数が速い
・たまに鼻出血(鼻血)
・なぜか痩せていく

上記の症状は、いろいろな病気を除外する必要がありますが、【特殊なクッシング症候群】を疑うのは後回しになります。
つまり、とても見つけにくい・・・。

『副腎ホルモン』を出していないタイプに至っては、『健康だけど念のためペットドック』をしなければ見つけられず、症状のないまま致命的なレベルに進行していることが少なくありません。

もう、本当に大変。

結局、ご家族の感じる『うちの子のちょっとした違和感』や『健康なうちにペットドック』が非常に重要になります。

クッシング症候群について書いてあるWEBサイトや飼い主様向け雑誌はたくさんありますが、獣医師目線ではこんな厄介な疾患です。

でも、『予備軍』のうちに早期発見して、タイプを判別して、症状が出るのを待つ!状況に持ち込めれば、かなり有利に闘いを進めることも可能になってきています。

我が子が『シニアなのに元気』と違和感を感じたら、お気軽にご相談ください!

獣医師 宮澤 裕

七夕の願い事

待合室の階段に天の川が出現しました。

階段の近くに短冊を設置しました。
手指消毒のアルコールも完備でコロナ対策は完ぺきです!

・我が子のための願い事
・我が子が願っていることを代筆
どちらでも構いません。
抽選で2名様に素敵なプレゼントを検討中です!

短冊一番乗りは、2歳のチワワさん。
願い事は「シーフードピザが食べたい」とのことです。
おちゃめなお願い事ですが、ワンちゃんにピザはあげないでくださいね!

皆様も、診察までの待ち時間やお会計までの待ち時間に是非ご記入ください。
みんなの願い叶うかも!?

アイビー 七夕チーム

猫の問題行動③ 猫のボディランゲージについて

こんにちは!看護師の古川です!

前回は猫が快適に暮らせるようにおすすめのグッズをご紹介しました。

今回は猫のボディランゲージをご紹介しようと思います。

1.しっぽ

・しっぽを垂直に上げて近づいて来る

猫がしっぽ上げているのはフレンドリーな挨拶です。

飼主さんに対して行っている場合は「大好き」といった愛情表現のサインとも考えられます。

・しっぽを下げ、体の横にくっつけたり、後ろ足の脚にはさんだりする

相手に対して恐怖心をもっているサインです。

・しっぽのつけ根が上がっていて、先端は下がっている

相手に対して攻撃心をもっているサインです。

・しっぽの毛を逆立てる

恐怖心と攻撃心、どちらも持っているときのサインです。このまましっぽを高く上げるときもあります。

・しっぽをふる

興奮しているときにでるサインで、機嫌がいい時、相手に対して攻撃心をもっているときにもでます。

無理に触らず、そっとしておきましょう。

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2.耳

・耳を横向きにし、頭にぴったりとくっつける

相手に対して恐怖心をもっているサインです。

・耳を後ろに向け、先端をピンと立てる(いか耳)

相手に対して攻撃心をもっているサインです。

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3.眼

・黒目が大きい

恐怖心と攻撃心の両方が強くなり、気持ちが高ぶると黒目が大きくなります。

じっと動かなそうな様子でも、ちょっとした刺激によって飛び跳ねたり、攻撃したりしてくるときもあります。

・眼が穏やかで、焦点のどこかぼんやりしている

リラックスしているときにでるサインです。

・せわしなくまばたきをする

相手に対して恐怖心をもっているサインです。

・眼を見開き、じっと見つめている

相手に対して攻撃心をもっているサインです。

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4.口元やヒゲ

・ヒゲを前方に突き出し、つけ根をぷっくりと膨らませる

恐怖心よりも攻撃心が強い時に出るサインです。

・ヒゲを後ろに向け、顔にぴったりとつける

相手に対して恐怖心をもっているサインです。

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5.姿勢

・体を小さくさせ、隠れて動かなくなる

相手に対して恐怖心をもっているサインです。

自分の身を守ろうとしていて、追い詰めると攻撃してきます。

・腰を上げ、背中やしっぽの毛を逆立てながら背中を丸めている

相手に対して攻撃心をもっているサインです。

自分自身を大きく見せようとしています。

ちょっとした刺激で攻撃してくるので、目を合わせず、猫を刺激しないようにしましょう。

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普段、愛猫がよくみせるボディランゲージはありましたか?

愛猫の気持ちを理解することで、問題行動の予防にもなり、愛猫とのよりよい信頼関係も築いていけると思います。

次回も私の回では猫の問題行動に対する予防や解決策についてご紹介しようと思います。

お楽しみに!