Monthly Archives: 7月 2019

決意表明!とがん学会のご報告

7月6日(土)、7月7日(日)はお休みをいただいてがん学会に参加してきました。
今回のがん学会では、『腫瘍』を得意とする獣医師が約830名集まったそうです。
今年のテーマは【軟部組織肉腫】でした。
腫瘍で転院されてこられる中で、最も多い腫瘍です。

21回がん学会のテーマは軟部組織肉腫

【軟部組織肉腫】には以下のような特徴があります。
・周囲に根を延ばす能力が高い
・遠隔転移は比較的まれ
・複数の腫瘍を含む『グループ名』

これらの特徴から、危険度の高い悪性腫瘍の一つでありながら、
『小さなうちに確実な手術をすれば完治が可能』なんです。
逆に、こじらせてしまうと足を切除する手術が必要になったり、
完治できなかったりします。

遭遇する頻度が高く、細かなルールが多く、
バリエーション豊富な挙動をとるため、しっかりとした知識が必要です。
今回のがん学会で知識の再整理、バッチリです!

【軟部組織肉腫】に限らず、腫瘍診療にカッコいい切り札はありません。
適切な診断ステップ、丁寧な手術前の準備、確実な手術のみです。
地道な積み重ねだけが『腫瘍』の完治につながります。
そして、治せない腫瘍の場合は、
ワンちゃん・ネコちゃんが旅立つところまで、
なるべく快適に過ごせるようにサポートすることを忘れてはいけません。
もちろん、ご家族の不安な気持ちはとても大きいはずです。

学生の頃から『腫瘍』の獣医師になると決めて特殊なトレーニングを受けていました。
私自身が『腫瘍』で愛犬・愛猫を失っています。
その頃から、ご家族も背負っていく気持ちに変わりはありません。
今回のがん学会でも、新たに気が引き締まる思いでした。

しかし、直接ではないのですが、ある病院紹介サイト
『横柄になった』とのご指摘をいただきました。
そして、その自覚がないこともご指摘いただきました。

『腫瘍』と闘うペットやご家族を背負うつもりが、できていないことを恥ずかしく思います。
今回はありがたいご指摘をいただきました。
さらに強い決意のもとに日々の診療にあたりたいと思います。
現状では残念なご指摘をいただく獣医師ですが、改善していくという決意表明です。
今後のアイビーにご期待いただけると幸いです。

獣医師 宮澤 裕

お盆はフードの流通が止まります!

今回は、《健康情報》なしですが、重要なご案内です。

お盆は各メーカーさんがお休みになるため、フードやサプリの流通が止まります。
ご自宅のフードが減ってきていたらお早めにご連絡くださいね。
【フード注文用のLINE】で24時間 受付中です。

お盆のフード流通

お盆との兼ね合いで【フードの日】でお受け取り予定の方は、
通常よりも早くご連絡をお願いいたします。
 《フードの日》
  ・8月6日(火)お受け取り→7月中にご注文
  ・8月20日(火)お受け取り→8月7日(水)までにご注文

ちなみに、お盆の期間中も診察は通常通り行っています。
獣医師の診察日はアイビーHPをご確認くださいね。
  診察担当表はこちら

獣医師 宮澤 裕

最強 関節サプリがさらにパワーアップ!

アイビーで多くのワンちゃん・ネコちゃんが使っている
最強の関節サプリ『コセクイン プロフェッショナル』が、
さらにパワーアップしたそうです。
資料をよくみると、確かに関節のケア効果や、消炎効果が高まっているようです。

これまでは『10粒いり』だったのが、新製品は『16粒いり』に。
シートがデカイ!
当然、粒が多いためシート当たりの価格が上がっています。

ムムッ!
と思い、細かく計算したところ、体重5kg当たり約6円の値上がりです。
効果が高まり、1日あたり6円の値上がりであれば、許せるような気がしますが、
粒数を増やして煙に巻こうとしているのでは…と邪推してしまいます。

5歳以上のペットの80
%は関節症

ワンちゃん・ネコちゃんの多くが【関節症】と闘っています。
報告によると『5歳以上のペットの80%』とされていました。
そして飼い主様の約半数は我が子の関節症に気づいていません。

明らかに足をかばっている時には、重度の痛みです。
医薬品である消炎鎮痛剤で痛みと炎症を抑えてあげましょう!

『動き出しがぎこちない』『段差を嫌がる』などの違和感は、
すでに【関節症】を疑うべきです!
お気軽にご相談くださいね。

もちろん、我々と同じように『加齢』『肥満』『過剰な運動』で【関節症】は加速します。
我が子の生活管理も頑張りましょう!

今年は新作セミナーとして《長生き準備コース・シニアケア》も実施します。
人生の最期まで快適に過ごせるように、シニアペットの飼い主様はぜひお越しくださいね!

獣医師 宮澤 裕

静かな暗殺者?【ネコさんの心筋症】

『元気なネコさんの約16%は心筋症』と言われたら…。
元気に遊んでいるうちの子は大丈夫でしょうか?

『心筋症のネコさんの約70%は心臓の音が正常』と言われたら…。
全ての診察で慎重に聴診をしていますが、
【ネコさんの心筋症】は、ヒトの五感では見つけられない疾患なんです。

『心筋症のネコさんの約50%は血栓症で急死する』と言われたら…。
発症前に見つけてしまえば、3年後の生存率を70%まで高められます!

心臓病は獣医師・遠洞にお任せください!

【ネコさんの心筋症】の『好発品種』は日本でよくみる品種…
そして、けっこう若くして発症…。

でも、《心臓病マーカー》を測ることで隠れている心筋症をあぶりだせるんです。
ヒトのがんマーカーのように、少量の血液で検査可能です。
心筋症を持っている可能性が高いネコさんを早期に見つけることができれば、
生存期間を延ばせるんです。

当てはまる品種のネコさんが7歳になったら《心臓病マーカー》を計測しましょう!
※メインクーンさんは発症年齢が3歳前後と早いことが知られています。

《心臓病マーカー》は単独項目でも測定可能です。
アイビーでは8月末まで【夏のシニア健診】としてセット検査も実施しています。
必要に応じてご検討ください。

心臓病についてご心配なことがあれば、獣医師・遠洞までお気軽にご相談ください!

獣医師・宮澤 裕

《参考文献》
Prevalence of cardiomyopathy in apparently healthy cats.
・Feline idiopathic cardiomyopathy: a retrospective study of 106 cats.