Monthly Archives: 11月 2020

ハミガキ教室おまけ話

こんにちは。今週は獣医師の阿部が担当します。

先日開催したハミガキ教室では、たくさんの方にご参加いただきありがとうございました。

今回のブログではハミガキ教室のおまけのお話として歯ブラシについて少し細かくお話ししようと思います。

まずおさらいになりますが、基本的に市販されているハミガキガムは歯を磨く効果は弱いとされており、歯周病予防にはあまり有効ではありません。

アイビーで販売しているハミガキガムは医療用であり歯周病予防に有効であることが証明されていますが、やはり歯周病予防に一番有効であるのは歯ブラシです。

その中でも歯ブラシの種類がいくつかあるので紹介させていただきます。

①ヒト用歯ブラシ

一般に人間が使うような歯ブラシです。

細かく動かすことができないため口が小さい子には不向きです。

②一般タイプ

動物用に歯ブラシのヘッド部分を小さくしたものです。

歯の汚れが強くない子の、歯周病予防に最適で、最もおすすめのタイプです。

ちなみに病院においてあるものは柄がカーブしているので動物の口にフィットしやすい構造をしています。

 病院に置いてあるタイプです

③極細タイプ

ブラシ部分が歯周ポケットに入りやすいので歯周ポケットから汚れをかき出すのに適しています。ただし歯の表面を磨く力はやや弱いので一般的に使用するのはこちらでない方がいいでしょう。

④混合タイプ

一般タイプと極細タイプ両方の特徴を持っています。

長期間使うと細い毛の部分が毛羽立って少し痛いかもしれません。

⑤ラウンドタイプ

ヘッドの全周にブラシがついているタイプです。

磨く力自体は弱いですが、ブラシ面が広いためハミガキが不慣れな子には適しています。

反面、ヘッドの厚みがあるため、口の小さい子は使いにくい点が弱点です。

今回はハミガキの種類について紹介させていただきました。

次回もまたハミガキ関連のお話をさせていただければと思います。

クッシング症候群の治療薬が値上げ!

【クッシング症候群】の治療薬が12月1日から値上げとなるようです。

今年は【クッシング症候群】の治療薬が長期間にわたって、国内での流通が止まってしまう時期がありました。
飲まないわけにはいかないお薬なので、手に入らずに困った病院さんも多かったようです。
現在は無事に流通していますが、物流の問題での価格高騰でしょうか…。

治療中のワンちゃんは少し早めに続きの分を補充しておかれると、治療費が少し抑えられるかもしれませんね。

さて、【クッシング症候群】の治療中ではない方は、『???』かもしれませんね。

お腹がぽっちゃり!
よく食べる!
お水をよく飲んで、オシッコもたっぷり!
元気いっぱい!

というワンちゃんを見かけたら、
『おぉ、元気だね!ちょっとダイエットしようか?』と思うのが普通ですよね。

でも、この4点は【クッシング症候群】でよくみられる症状なんです。
ググってみると『痒みのない脱毛』『皮膚の石灰化』『シッポの脱毛』なんて書いてないですか?
この3つの症状は獣医学生が、専門課程で習う典型的な症状です。

しかし、これらの症状がみられたら、すでにかなり進行した状況です!
現代人のググり病(←こんな言葉ないですか?)の怖い点で、真面目な方ほど古い情報や間違った情報を信じてしまう…。

動物医療は急速に進歩しているので、初期に発見できるんです。
【クッシング症候群】に至っては、発症前から発見可能!
文献的には、発症からの生存期間は約2年とされています。
でもアイビーの【クッシング症候群】の子達はみんな元気に長生きです。
だからこそ、お薬の価格高騰は困ってしまうのですが…。

動物病院は『病気をしたら行く』ところではなく、『病気なく元気に過ごす』ために活用するところです。
ハミガキ練習、体重管理、その子に応じた環境整備、問題行動やしつけの相談、各種勉強会など、気軽にお越しください。

獣医師 宮澤 裕

お家でシャンプー!

皆さんこんにちは!今回は看護師の芳賀が担当します。

突然ですが、『コロナの影響でなかなか我が子をシャンプーできていない…』や『シャンプーしてあげたいけど正しいシャンプーの方法がわからない』とお困りの方はいませんか
私も正しいシャンプーの方法を教えてもらう前はやり方がわからず、我が子をあんまりシャンプーできていませんでした。

そんなお困りの方に今回は『シャンプーの方法』についてお話ししたいと思います。

① ブラッシングをしましょう!
体をぬらす前にブラッシングを行い、毛についた汚れや抜け毛を取り除きます。
ブラッシングの際に皮膚を傷つけないようにするために、ブラシはステンレス製のコームやピンブラシの使用がオススメです。

② ぬるま湯で体をぬらしましょう!
皮膚、被毛全体をまんべんなくぬるま湯でぬらしてあげます。
※温度は30~36℃で、皮膚の弱い子ほど低温にしてあげましょう。

③ シャンプーをしましょう!
シャンプーをよくなじませ、十分に泡立つまで体全体をマッサージするように洗います。
この時、爪をたてて洗うのではなく、指の腹を使って洗ってあげましょう。
あらかじめ泡立てネットでシャンプーを泡立てておくと簡単です!

④ すすぎましょう!
ぬるま湯で毛の間から泡が出なくなるまですすぎます。
必要に応じて保湿剤を使ってあげましょう。
※温度は30~36℃でお願いします。

⑤ 毛を乾かしましょう!
ドライヤーをあてる前にタオルに水気を吸わせるようにやさしく乾かします。
ドライヤーをあてる際はなるべく遠い所から短時間で乾かしてあげてください。
お肌の弱い子は、湿気が残っているくらいでも構いません。
毛足の短い子はタオルドライのみでもOKです。

いかがだったでしょうか。
シャンプーの方法がわからず困っていた方は参考にしてみてください!!

文章だとわかりにくいところがあった場合にはスタッフにお声がけください。
また、シャンプーの方法が書かれているプリントもお配りしています。そちらも参考にしてみてください!
12月13日の《日常ケアセミナー》では、正しいシャンプーの仕方を動画でご説明します。
ぜひご参加ください!

次回は獣医師・阿部が担当します。お楽しみに!

恐るべし!フードの力!

今回の担当は看護師の高木です!
愛犬が膀胱に大きい石を抱えていたお話をしようと思います!

4月にとても痛そうな症状で膀胱炎が見つかり、膀胱の中を超音波検査でみてみると大きい石が3つもありました!
大きいものは9mmもの大きさでした。とても痛そうです…。

4月の膀胱エコー

膀胱内の大きな石を溶かすために、『ユリナリーS/O+エイジング7+』という名前の療法食を食べてもらいました。
幸い、美味しく食べてくれたので効果を信じて続けていきます!

こちらが5月の膀胱の超音波検査です。
フードを1か月続けた時点で少し小さくなっていて、大きいもので8.3mmでした。
このまま同じフードで進んでいきます!

5月の膀胱エコー

6月の膀胱の超音波検査ではほとんどなくなってきました!
大きくて2.3mmのサイズでした。
痛そうな症状も全くありません!

6月の膀胱エコー

そして、9月には膀胱の結石はなくなりました!!

9月の膀胱エコー

今は、膀胱結石の再発防止効果のある一般食を食べています。
今回のように、フード1つで(場合によってはお薬もプラスになりますが)治る病気もあります!

ちなみに、膀胱結石ができる前は、皮膚ケアのための病院用フードを食べていました。
お肌の調子はとてもよかったのですが、オシッコのケア効果がないためにできた結石です。

どんなに良いフードでも、全ての病気をカバーできるものはありません。
1つ良い効果を得るために、どうしてもマイナスとなる面があります。
フード選びでお困りの方は、アイビーのフードマイスターにご相談ください!

今回の件で本当に感動した高木でした!

オヤツ好きに朗報!オヤツ情報局です!

久しぶりのオヤツ情報局です。

我が子にもオヤツをあげたい!
でも、病気の関係で食べ物に制限が・・・。
私も含め、ワンちゃん・ネコちゃんの保護者であれば、誰もが持っている悩みです。

近年は、医療用のフードの進化には目を見張るものがあります。
腎臓病の進行を遅らせるフードは以前からありましたが、腎臓病の発症を遅らせるフードや、認知症を改善させるフード、胃腸の細菌叢を整えて体調自体を整えるフードなどなど。

フードメーカーの気合はついに、オヤツにまで広がっています。
そうなんです、病気に配慮された安全なオヤツがあるんです。

ダイエット中に食べられるビスケット♪
自分だったら嬉しくないですか?

食物アレルギーなのに食べられるクッキー♪
オヤツを食べるとお腹が痛くなったり、皮膚が痒かったりするために、諦めてた子がオヤツを食べられるんです。

高脂血症なのに食べられるビスケット♪
コレステロールが上がらないように脂分の少ない食事ばかりだったのに!

どれも、自分のことだったらとても嬉しい。
ワンちゃん・ネコちゃんも心から喜ぶはず。
フードメーカーさんの開発チームには親バカがいるに違いない!

アイビーではオヤツ大好き院長の独断で、以下のオヤツをプレゼントしています。
数量限定なので当てはまる病気のあるワンちゃん・ネコちゃんはお早めに!
お気軽にスタッフにお声がけください!

《ワンちゃん》
・ダイエット中!
・食物アレルギー!
・膵炎!
・高脂血症!
・尿石症!

《ネコちゃん》
・尿石症!

ネコちゃんはまだ安全に食べられるオヤツが少ないんです。
きっと近いうちに開発されるはず!

医療はもちろん、健康な体を作るための食べ物も進化しています。
長生きすればするほど、快適な生活になっていくはずです。
楽しみですね!

獣医師 宮澤 裕