Category Archives: ネコちゃん関連

アニコムの『特例』が無期限に!?

今年のコロナ禍に対して、動物保険大手の『アニコム』が期間限定で『飼い主様だけでの受診』も保険適応OKとしました。

段階的に期間が延びていましたが、今回の発表では『当面はOK』と終了時期を未確定にしたようです。

これにより、しばらくは他の保険会社と同様に、飼い主様だけでのお薬のお受取りでも保険適応されます。

心臓病、アトピー、腎臓病など、長期間にわたってお薬を続けなければならない子達にとっては、とても良いことですね。

アニコムのHPには掲載されているものの、飼い主様へのご案内がないとのお話をお聞きしたので、この場でのご案内でした。

ペットの寿命がどんどん延びています。
東京農工大学から出た2017年の報告では、25年前と比較して、日本のワンちゃんの平均寿命は1.5倍、ネコちゃんの平均寿命は2.3倍に伸びたそうです。

長生きするほど付き合う病気も増えます。
病気が増えるシニア世代に入る前に、保険に加入される方が非常に多いと聞いています。

せっかく加入している保険ですから、上手に使いたいところですね。

獣医師 宮澤 裕

絶対見るべき今年最高のWEBセミナー!

ネコさんを乳がんから守るための《キャットリボン運動》をご存知でしょうか。
ワンちゃんの乳がんとは異なり、ネコさんの乳がんを完治させることは非常に困難です。

でも、【乳がん】について知っていれば、一緒に暮らす時間を大きく伸ばすことができるんです。

『がんになったら終わり』ではないんです!

腫瘍科認定医として、日々、がんと闘うワンちゃん・ネコさんと向き合っています。
『がん』は防いだり、治したりできるものも多いんです。
ご家族がちょっとしたコツを知っていれば・・・、諦めずにご相談いただければ・・・。

私が最も尊敬する小林哲也先生は、間違いなく日本最高の腫瘍内科医です。
がんセンターでの日々の診察だけでなく、ワンちゃん・ネコちゃんを救うための取り組み、若手獣医師のための取り組み、被災地支援など、精力的に活動されています。
そして、我流ではなく、常に医学的な根拠に基づく意思決定をしています。
心から尊敬し、憧れる獣医師です。

そんな小林哲也先生が、飼い主様にネコさんの乳がんについてわかりやすい言葉でWEBレクチャーをします。
その他にも様々なプログラムが予定されているようです。
ぜひ、キャットリボンの公式ページをご覧ください。

公式ページはこちら

ウェブ配信は10月22日(木)です。
14時からと、20時からの2回配信とのことです。
ネコさんと暮らす全ての飼い主様にぜひご覧いただきたいイベントです。

アイビーはキャットリボン運動の公式スポンサーです!

獣医師 宮澤 裕

ヒトの『猫アレルギー』に新治療法!?

ヒトの皮膚科の資料によると、『猫アレルギー』を持っているヒトは、5人に1人もいるそうです。
ネコさんと暮らしたいのに、断念している方も少なくないようです。

『猫アレルギー』の原因物質は、の一つが『fel d1』というタンパクであることがわかりました。
この『fel d1』はネコさんの唾液に含まれており、毛繕いした際にネコさんの毛に付着します。
そして、抜けた毛やフケと一緒に環境中に舞い、ヒトのアレルギーの原因となります。

実はすでに『fel d1』を無効化する抗体が開発され、海外では製品化されているようです。
しかも、キャットフードとして流通しています!

《製品サイトはこちら》

『猫アレルギー』だけでなく、花粉症など、これまでのアレルギー治療は、アレルギー反応が出てしまう『患者さん側』の免疫をおさえる治療ばかりでした。

今回の発見とそこから派生した治療法は、アレルギー物質を作らせない、ばらまかせないという、原因側へのアプローチである点が画期的です。
このフードで、ネコさんが産生するアレルゲンは平均で47%も減少したそうです。
日本でも、皮膚科の獣医師が『更なる研究が必要』としつつも注目しているようです。

早く日本でも流通するといいですね。
そして、安心してネコさんと暮らせる方が増えるととても嬉しいです。

獣医師 宮澤 裕

てんかんとは

みなさん、こんにちは。
獣医師の五十嵐です。

今回は神経・整形シリーズの第2回目として、『てんかん』とは何かについて取り上げます。

『てんかん』というのは病気の名前で、何らかの原因で『てんかん発作』を24時間異常の間をあけて、繰り返し起こしてしまうものを指します。
つまり、てんかん発作を起こす場合、病変部位は脳ということです。
この中でも脳に明らかな異常がある場合と無い場合があり、前者を『構造的てんかん』、後者を『特発性てんかん』と呼びます。
一般的には『特発性てんかん』を『てんかん』と呼ぶことが多いです。

『てんかん発作』というのは、脳の神経細胞の異常な興奮によってひき起こされる発作です。
また、『てんかん発作』が全身的に出るのか、体の一部にだけでるのかによって、『全般性発作』と『焦点性発作』に分けられます。

少し頭が混乱してきたでしょうか・・・

特に身体の一部だけに異常をきたす『焦点性発作』の存在を知っていただくと、今まで気づかれなかったてんかんの子をみつけることができるのではないかと思っています。
発作が軽いうちに治療を始めることで、後々大きな発作が起こって命を落とすリスクを下げられる場合もあります。

次回の私の担当の回は、てんかんの診断と治療について触れる予定です。

膵炎の死亡率と新しい療法食

ワンちゃん、ネコちゃんともに【膵炎】はよく出会う病気です。
しかし、あまり認識されていない病気でもあります。
また、ワンちゃんとネコちゃんで症状や背景などに多くの違いがあります。

《ワンちゃん》

嘔吐・下痢・腹痛が主症状であり、2019年の文献では初期死亡率も46.1%と報告されています。
2018年には、世界初となるワンちゃんの膵炎治療用の注射も開発されました。

【高脂血症】が膵炎の誘発因子として重要であるため、【膵炎】の治療および再発防止の観点から『低脂肪食』が非常に重要とされています。
ちなみに、中性脂肪が850以上になると【膵炎】の発症率が約5倍になることが知られています。
今月から流通が始まった《ストマックケア(低脂肪)》は嗜好性が良く、すでに大人気の低脂肪食です。

《ネコちゃん》

ワンちゃんと同様に、嘔吐・下痢が出る子は稀です。
なんとなく食欲がない、食欲にムラがあるなど、わかりにくい症状のみの子が多いです。
腹痛や吐き気があるものの、我慢してしまうようです。

実際に、何も症状のないシニアネコちゃんの18.8%が【膵炎】にかかっていたという報告も出ています。

また、【高脂血症】と関連があると考えられているものの、治療や再発防止の観点での食事管理としては、『消化性の高いフードが良い』『低アレルギー食が良い』と文献によってまちまちであり、統一見解がありません。

《重要な共通事項》

膵臓は食事中の脂肪分を分解できる唯一の内臓です。
そのため、脂質過剰な食事、無分別な食生活は膵臓への悪影響が強いと考えられています。
当然、品質の悪いフード、保管状態の悪いフードは、食事中の脂質が変性しているため、膵臓への負担が増すことが予想されます。
自己判断ではなく、医学的に高品質なフードが推奨されます。

また、【膵炎】が治りにくい子は、背景に黒幕となる疾患が隠れていることが多いです。
特に背景疾患として【腫瘍】が見つかることが非常に多いです。

《まとめ》

ワンちゃん・ネコちゃんともに、普段から高品質なフードを選んであげることが重要なようです。
そして、飼い主様の『なんとなく体調が悪い』と感じる感覚がとても大切です。
気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

獣医師 宮澤 裕

《参考文献(犬)》
Comparison of initial treatment with and without corticosteroids for suspected acute pancreatitis in dogs.