Category Archives: ネコちゃん関連

寝たきり、後肢の麻痺による「褥瘡」の防ぎ方

今回のブログは看護師の北島が担当します。
本日は寝たきり時に起こりやすい褥瘡についてです!

・褥瘡とは、一般的に「床ずれ」にあたります。

高齢動物や後肢麻痺などの障害を持つ動物は、自力で姿勢を変えることが困難です。そのため、寝たきりの状態が長く続くと、特定の部位が圧迫され続け血行障害により皮膚などの細胞が壊死を起こし褥瘡が生じます。

特に痩せている動物では、骨の突出した箇所にできやすいため注意が必要です。

また、犬猫は皮膚が毛に覆われている事が多いので、発見が遅れ気付いた時にはかなり進行していることも少なくありません。そのため、褥瘡ができてからではなく発生するリスクが生じた段階から、ご自宅での正しい管理や褥瘡対策を始めましょう。

寝ながら走る犬のイラスト

褥瘡の2つの予防ケアポイント
①環境づくり
褥瘡を防ぐためには、体圧を分散し全身を面で支えるマット選びが重要です。
マットにも様々な種類がありますが、水洗いができる、高反発、通気性が良いものが予防に最適です。

②衛生管理
排泄物が付着して不衛生な状態が続く事も褥瘡の誘因となります。
・被毛や皮膚の表面の微量な汚れ
軽度の汚れは蒸らしたタオルや、洗い流さないタイプのボディシートを活用しましょう。蒸らしタオルは温めることで血行促進や、リラックス効果があります。やけどや擦りすぎに注意しましょう。

・皮膚にしっかりと付いた汚れ
下痢便や、尿が皮膚にまで付着した場合は、拭き取るよりも洗い流した方が衛生的です。部分洗いが困難な場合は、専用の洗浄液などを活用しましょう。

・冬場のジェルマットの使用について
ジェルマットの下にヒートマットやホットカーペットを敷くと、熱がジェルに伝わり低温やけどを引き起こします。また、床が冷えているときも同様にジェルが冷たくなり体温を下げてしまうことがあるので注意が必要です。

・マットの上にタオルを何枚も重ねない
マットの上下にタオルや、シーツを何枚も重ねてしまうと通気性が効果を発揮せず、熱がこもる原因になります。また、痩せている動物ではタオルやシーツのシワから、血行阻害や痛みを伴う場合もあります。マットの上は最小限で管理しましょう。

【すでに褥瘡ができている場合】
高反発マットの上にジェルマットを使用すると、褥瘡による疼痛の緩和、治癒の促進に役立ちます。

褥瘡の予防ケアは、日々生活を共にしているご家族しか行えません。
マットなどを正しく使用し、手厚いケアでカバーしましょう。

2021年!明けましておめでとうございます。

こんにちは、今回の担当は高木です!

あけましておめでとうございます!

新年早々美味しいものを食べすぎて、私の体重が増加傾向です…。

ワンちゃん・ネコちゃんたちもここで気を付けないといけないことがあります!
我が家の愛犬はよくヒトの物を食べようとします。
今年の大きな事件はチョコレートを大量に食べてしまい、大慌てで病院に駆け込みました(-_-;)

美味しいものが大好きな我が愛犬です。

チョコの吐物画像があります。苦手な方はご注意ください。

吐いたものを見て改めて気を付けようと思いました。
それからは人間用のオヤツなどの誤食はなく、平和に過ごしています。

今年もチョコなどの誤食が無いように特に気を付けたいと思います!
皆さんもお気を付けください!見えない所で狙っているかもしれません。

皆様、今年もよろしくお願いいたします。

嘔吐・下痢が多発しています!

ワンちゃん・ネコちゃんの嘔吐・下痢が多発しています。
お腹が冷えて、胃腸の機能が低下してしまうのか…。
クリスマスや年末年始などでヒトの生活リズムが乱れ、ワンちゃん・ネコちゃんに影響が出るのか…。
ワンちゃん・ネコちゃんも、いつもよりも美味しいものをたくさんもらって、お腹がびっくりするのか…。

とにかく、嘔吐・下痢の子が本当に多いです。

元気いっぱいの若手世代であれば、軽度の消化器症状はそれほど深刻に受け止めなくても良いかもしれません。
しかし、チビッ子世代、シニア世代には、嘔吐・下痢による脱水が次のトラブルのきっかけとなることが多いです。

また、『持病』をもっていて継続してお薬を服用している子にとっても、嘔吐・下痢があると普段のお薬の効果が劇的に低下してしまいます。
『持病』のある子の嘔吐・下痢はなるべく早く治したいので、症状が出てしまった場合はお早めに受診をお願いします。

そして、年末年始は誤食事故が多発します。

普段置かないところにちょっと置いた物を食べてしまうのです。
間違って食べてしまった!と気づいたら、とにかくご連絡をお願いします。
すぐであれば吐かせる処置で解決する可能性が高まります。
数日様子を見てからだと、お腹を開く手術になる可能性が高まります。

それでも、救急認定医の中でも外科手術を得意とする立場としては、仮にご来院が遅れても『医薬品』でなければ開腹手術で摘出できるため、”なんとかなる!”と思います。

しかし、誤食の中でも『ヒトの医薬品』の誤食は迅速な対応が必要です。
当たり前のことですが、『医薬品』を誤食して、症状が出たときにはすでに体内に吸収されています。
吸収された薬剤に対して『中和できる薬物』が存在しない医薬品が大半なんです。

ご自身がお薬を服用する際には、以下の点に注意してあげてくださいね。
・ポロリと落とした時のためにシンクなどで服用
・残りのお薬は戸棚や引き出しにしまう
・誤食してしまったらすぐアイビーへ電話

では、できるかぎり『規則正しい生活』『特別なオヤツは控えめ』を意識して、我が子と楽しい年末年始をお過ごしくださいね。

獣医師 宮澤 裕

里親さん募集中!

8月生まれのネコさん三兄弟の里親さんを募集中です。

3頭とも綺麗な顔立ちで体調も良く元気です!

体重:約1.4kg(2020年12月6日時点)
性別:3頭ともオス
猫エイズウイルス(-)
猫白血病ウイルス(-)
フィラリア予防:済
お腹の寄生虫駆除:済
ノミ・マダニ駆除:済

興味のある方はアイビーへご連絡をください!

獣医師 宮澤 裕

てんかんの診断と治療について

みなさん、こんにちは。
獣医師の五十嵐です。

今回は神経・整形シリーズの第3回目として、『てんかんの診断と治療』について取り上げます。

てんかんの診断は、まずてんかん発作なのか、似たような他の病態なのかを見分けるところから始まります。
この鑑別のために、ご家族には、発作のときの動画を撮っていただくようにお願いしています。

いざ『てんかん発作』だと判断したら、次に身体検査や血液検査など体への負担が少ない検査を行います。
ここまでで、脳に病気がありそうかどうかを推定し、もっと大掛かりな検査をすべきかを判断します。
(大掛かりな検査、というのはMRIや脳波、脳脊髄液検査など、2次診療施設で麻酔をかけて行うものです。)

てんかんの治療は、その原因によって異なります。
『原因がはっきりしているてんかん』の場合は、抗てんかん薬で発作を抑えると同時に、その原因となる病気の治療が必要です。(脳腫瘍、奇形、炎症、腎不全、肝機能障害など)
『特発性てんかん』の場合は、基本的には抗てんかん薬を飲みながら一生付き合っていく必要があります。

抗てんかん薬にも様々な種類があるため、その子その子に合ったものを選択します。
また、治療の補助として、ニューロケアというフードに変更することもお勧めしています。

てんかんの子は、基本的には生涯発作と付き合っていかなくてはならないことが多いです。
性格と同じように、その子の個性と思ってあげると、いくらか気持ちが楽になるかもしれませんね。