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【老化のサイン】について

今回のブログは看護師の北島が担当します。

本日はシニア期の「老化のサイン」についてです。

シニア期のワンちゃん、ネコちゃんは、普段の生活の中で老化のサインを出しています。

明るいシニア期を迎えるために、老化のサインを知りましょう!

《外観の変化(顔、体の全体)》

顔に白髪が出ます。白髪は眼や鼻、口の周りなどから現れ、徐々に体に広がります。

その他に、以下のような変化もよく見られますが、これらは『老化』ではなく、病気のサインのことが多いので注意が必要です。

・毛の質が変わった

・毛ヅヤが悪い

・皮膚が薄い

・皮膚が乾燥してフケが出やすくなった

・皮膚を指で押しても元に戻らない

《眼の奥が白っぽくなる(白内障)》

高齢犬が患いやすい眼の病気の1つが白内障です。

白内障にかかると黒目の部分が白く濁り、徐々に視力が低下します。

悪化した場合には失明してしまため、早期に発見して進行を遅らせることが重要です。

《口臭が強くなる、食欲減少》

口臭の原因で多いのは歯垢や歯石です。

歯垢・歯石によって歯周病を起こし食事をしにくくなることがあります。

また、歯周病が、進行すると細菌が歯肉の血管を通り、心臓や腎臓に重大な病気を引き起こす原因になります。

しかし、歯垢や歯石自体は老化とは関係がありません。

予防としては、普段からの歯磨きが効果的です。

《できものやシミができる》

老化が進むと皮膚にシミや、できものができやすくなります。

できものがイボではなく、悪性腫瘍かもしれません。

新しいできものを見つけたらお知らせください。

《体形が変わる》

食事量やカロリーを増やしていないのに、徐々に太るのは基礎代謝の低下が原因です。

逆に痩せている場合は、病気による消耗や、歯が痛くて食べられないなど、様々な原因が考えられます。

美味しいもので時間を稼ぐことも方法ですが、原因の特定が重要です。

《お尻が小さくなる》

高齢になり足腰の関節に傷みが出てくると、前肢に体重をかけ、後肢にかかる体重を減らそうとします。その結果、丸みを帯びていた後肢や、臀部の筋肉量が減り、お尻周辺が痩せて骨ばるため。お尻が小さくなったと感じるようになります。

《行動の変化》

以下のような行動の変化は、『老化』のこともありますが、関節の痛みや、体のだるさなどの病気のサインのことも多いため、注意が必要です。

・後肢の歩幅が狭くなり、トボトボと小刻みに歩く

・名前を呼んでも反応しない

・遠くのボールを追いかけない

・散歩でよく立ち止まる

・階段をのぼりたがらない →足腰に傷みがある可能性

日々の生活の中で小さな変化は一緒に過ごしているご家族の方が詳しいです。

そして、『老化』による変化と『病気』による変化はほぼ区別がつきません。

変化に気づいてあげるのがご家族の役割です。
その変化が『老化』か『病気』かを区別するのが動物病院の役割です。

病気は何より早期発見が大切です。是非、チェックしてみましょう。

気になることがございましたら、気軽にご相談下さい。

寝たきり、後肢の麻痺による「褥瘡」の防ぎ方

今回のブログは看護師の北島が担当します。
本日は寝たきり時に起こりやすい褥瘡についてです!

・褥瘡とは、一般的に「床ずれ」にあたります。

高齢動物や後肢麻痺などの障害を持つ動物は、自力で姿勢を変えることが困難です。そのため、寝たきりの状態が長く続くと、特定の部位が圧迫され続け血行障害により皮膚などの細胞が壊死を起こし褥瘡が生じます。

特に痩せている動物では、骨の突出した箇所にできやすいため注意が必要です。

また、犬猫は皮膚が毛に覆われている事が多いので、発見が遅れ気付いた時にはかなり進行していることも少なくありません。そのため、褥瘡ができてからではなく発生するリスクが生じた段階から、ご自宅での正しい管理や褥瘡対策を始めましょう。

寝ながら走る犬のイラスト

褥瘡の2つの予防ケアポイント
①環境づくり
褥瘡を防ぐためには、体圧を分散し全身を面で支えるマット選びが重要です。
マットにも様々な種類がありますが、水洗いができる、高反発、通気性が良いものが予防に最適です。

②衛生管理
排泄物が付着して不衛生な状態が続く事も褥瘡の誘因となります。
・被毛や皮膚の表面の微量な汚れ
軽度の汚れは蒸らしたタオルや、洗い流さないタイプのボディシートを活用しましょう。蒸らしタオルは温めることで血行促進や、リラックス効果があります。やけどや擦りすぎに注意しましょう。

・皮膚にしっかりと付いた汚れ
下痢便や、尿が皮膚にまで付着した場合は、拭き取るよりも洗い流した方が衛生的です。部分洗いが困難な場合は、専用の洗浄液などを活用しましょう。

・冬場のジェルマットの使用について
ジェルマットの下にヒートマットやホットカーペットを敷くと、熱がジェルに伝わり低温やけどを引き起こします。また、床が冷えているときも同様にジェルが冷たくなり体温を下げてしまうことがあるので注意が必要です。

・マットの上にタオルを何枚も重ねない
マットの上下にタオルや、シーツを何枚も重ねてしまうと通気性が効果を発揮せず、熱がこもる原因になります。また、痩せている動物ではタオルやシーツのシワから、血行阻害や痛みを伴う場合もあります。マットの上は最小限で管理しましょう。

【すでに褥瘡ができている場合】
高反発マットの上にジェルマットを使用すると、褥瘡による疼痛の緩和、治癒の促進に役立ちます。

褥瘡の予防ケアは、日々生活を共にしているご家族しか行えません。
マットなどを正しく使用し、手厚いケアでカバーしましょう。