飼い主様の間で『新型コロナウイルスはペットにうつるの?』という疑問が出ているようです。
Q:新型コロナウイルスはペットにうつるか?
A:現時点では『うつらない』とされています
ウイルスの種類ごとに感染できる動物が決まっています。
今回の新型コロナウイルスがペットに感染したという報告はありません。
また、『現時点で』という表現になるのは、ウイルスは突然変異を起こすためです。
そもそもコロナウイルスによる感染症はたくさんあります。
新たに突然変異を起こしたため、『新型コロナウイルス』と呼ばれています。
新型なので、誰も免疫力をもたないために、急激に感染が拡大しているのです。
Q:ペットにも感染するようになるの?
A:可能性はありますが、低いとされています。
先日、アイビーのブログでご説明したように、ワンちゃん、ネコちゃん、ヒトのコロナウイルスはそれぞれ別のものです。
さらに細かくご説明すると、『ワンちゃんとネコちゃん』のコロナウイルスは、別のウイルスですが、同じ『アルファ属』に分類されます。
《ワンちゃんのコロナウイルス感染症》
《ネコちゃんのコロナウイルス感染症》
『ヒト』のコロナウイルスは、コロナウイルス科の『ベータ属』に分類されるため、ワンちゃん・ネコちゃんへの感染力を持つようになるにはかなり大きな変異が必要となります。
Q:海外でペットに感染したというニュースがあったけど…
A:ウイルスが検出された=感染ではありません
『ペットの口と鼻から弱陽性反応』というWEBニュースがあったようです。
現時点では行政や獣医師会から『ペットへの感染例はない』という通達が来ています。
飼い主様からペットに付着したウイルスが検出されたとしても、それは感染ではありません。
ウイルスがペットの体内で増殖できるようになるのが感染であり、そうなったら大変なことになります。
Q:ペットも自分も守るにはどうしたらいいの?
A:まずはご家族の安全を確保しましょう
獣医師はヒトの健康管理は管轄外となります。
ヒトの感染症の専門家がヒトを守るためのガイドラインを作ってくれたようです。
1.衛生管理(ヒト)
風邪やインフルエンザと同様に、手洗い・うがいを中心に、感染防御をしましょう。
2.健康管理(ヒト&ペット)
しっかり栄養をとって、しっかり休むことで、体調を整え、免疫力を高く維持しましょう。
《ヒト用 新型コロナウイルス感染症 ハンドブック》
Q:ペットを守るにはどうしたらいいの?
A:正しい知識を手に入れましょう
まずはご自身の身を守り、ご自身が『感染』しないことです。
そして、自己流やネットの情報に惑わされないことです。
アイビーでは、学術的に根拠のある情報をLINEで配信しています。
ぜひご活用ください。
また、『予約健診』や『混雑状況の確認』をご活用いただくことで、大人数の中での待ち時間をさけることが可能です。
《アイビーの予約健診》
《アイビーの現在の混雑状況》
そして、ペットのアルコール消毒や、オキシドールでの消毒は避けてください。
ペットや環境の消毒については別の記事でご紹介します。
現時点でペットに関する最も重要なガイドラインを2つご紹介します。
いずれも 世界小動物獣医師会(WSAVA)の発表したものです。
2月9日のガイドラインの方がわかりやすいように思います。
ポイントは、以下の3点です。
・現時点ではペットにはうつらないため、ペットを大切にすること
・突然変異がありえるため最新情報を確認すること
・ヒトが感染したら、その旨を説明してペットを預けること
《WSAVA 新型コロナウイルスと伴侶動物 2月9日》
《WSAVA 新型コロナウイルスと伴侶動物 2月11日》
獣医師 宮澤 裕