Daily Archives: 2019年8月18日

慢性腎不全のお話と腎臓用フードのご紹介

こんにちは、獣医師の遠洞です。

ワンちゃん・ネコちゃんのご飯は日々進化をしています。
特に最近の療法食に関しては、効果だけでなく趣好性に関してもよく研究されています。
※「病気の治療用」であり、それぞれに注意点もあるため、自己判断で療法食を始めないようにご注意ください!

最近、新たな療法食が販売を開始しました。
早速ご紹介いたします!

『Hills k/d早期アシスト』※ネコちゃん専用

これまでも各メーカーから慢性腎臓病用のご飯が販売されていました。
これらは全て、慢性腎臓病ステージ2以降の子のための療法食です。

『k/d早期アシスト』は、慢性腎臓病ステージ1の子のための初めての特別療法食として開発されました。
リンの含有量が調整されており、良質なタンパク質を含むことで腎臓への負担を軽減します。

ここで「慢性腎臓病のステージってなんだ?」と思われた方もいるのではないでしょうか。
まず、【慢性腎臓病】は腎臓が壊され、腎機能が低下している状態のことを言います。
残された腎機能の程度により、以下のように4つのステージに分けられています。

実はここ最近までは、ステージ2(残された腎機能は約30%)まで進行しないと血液検査で見つけられることができない病気でした。
しかし、新たに『SDMA』という腎臓病マーカーが開発されたことで、慢性腎臓病をステージ1の段階で発見することができるようになりました。
もちろん当院でも測定することができますので、興味がある方はお声掛けください。
7歳以上のシニアのネコちゃんは特にオススメです。

今は、症状が出てから病気を発見するのではなく、
定期的な健康診断で早期に病気を見つけることができる時代です。
【早期発見・早期治療】は、自分の体調不良を話すことができないワンちゃんネコちゃんには非常に大切です。
ぜひ定期的な健康診断をオススメします!