冬はノドがイガイガしますね。
今年はマスクを着けている時間が長いからか、ノドのイガイガが軽い気がします。
『新型コロナあるある』でしょうか。
呼吸器の乾燥は、不快感だけではないのです!
吸い込んだ空気が通る気道は、表面に細かなニョロニョロがたくさんあり、
気道に入り込んだホコリや細菌などを入口方向に運んでいく機能があります。
気道が乾燥してしまうと、ニョロニョロたちが弱ってしまい、呼吸器感染症のリスクがグッと上がります。
なので、冬の環境の加湿は非常に重要なんです。
呼吸器というと、ヒトの耳鼻科で白い蒸気の吸入処置を受けたことのある方も多いと思います。
あれは、呼吸器を守るあれやこれやの薬剤を蒸気にしたものなんです。
それで気道を潤しつつ、あれやこれやの薬剤で症状を緩和するという非常に効果的な薬剤投与法です。
ネブライザー、ネブライジングなどと呼ばれます。
実は、ペットにもネブライザー処置が可能です。
呼吸器疾患で入院/通院している子に頻繁に使っています。
また、呼吸器感染を起こすウイルスは一般的に『乾燥した環境』の方が病原性を長く保ち、『湿度の高い環境』では病原性を失うのが速くなります。
ちなみに新型コロナウイルスは乾燥環境で3時間も病原性を維持できるそうです。
つまり、環境の加湿には、『気道を守る効果』と、『病原体を弱らせる効果』があるんです。
だから、乾燥する冬にインフルエンザの患者さんが多くなるんですね!
シニア期に入ると気道の機能が低下し、気管支炎や肺炎などを起こしやすいのは、ヒトもペットも共通です。
シニアの子と暮らしている方は、お部屋はしっかり加湿をしてあげてください!
ご自宅でネブライザー処置をすることも可能ですが、まずは加湿からやってみましょう!
獣医師 宮澤 裕