【背部熱性壊死】という病名をご存知ですか?
ざっくりいうと、散歩中の背中の火傷です。
ヒトの【火傷(やけど)】ように赤く腫れぼったくなるだけで済む場合もあれば、重度の場合は手術が必要になることもあります。
2018年の文献によると、手術が必要になった子は12.5%にのぼるようです。
【背部熱性壊死】にかかりやすいワンちゃんの特徴は以下の通りです。
・毛色が濃い
・短毛(最近カットした子も含む)
暑い季節だけに、長毛の子はサマーカットにすることが多い時期です。
日光が皮膚にあたりすぎないように注意が必要ですね。
薄手の上着で直射日光を遮ることで、対策となりそうです。
また【背部熱性壊死】を呈した子達のうち、皮膚症状の前に軽度の熱中症のような症状を呈した子は約25%に過ぎないようです。
つまり、体に熱がたまるほどの長時間ではなくても、強い日差しにあたると【背部熱性壊死】を生じるということです。
涼しい時間帯を選び、水分補給をするだけでなく、直射日光への対策も必要ですね!
皮膚病の多い時期が続きます。
皮膚疾患は見た目の似た多くの疾患があり判断が難しい領域です。
アイビーには皮膚科の得意な獣医師がいますので、自己判断せずにお気軽にご相談くださいね。
《参考文献》
Dorsal thermal necrosis in dogs: a retrospective analysis of 16 cases in the southwestern USA (2009-2016).
獣医師 宮澤 裕