高脂血症の治療薬がなくなる!?

高脂血症の内服がなくなる!?

ヒトと同様に、ワンちゃん・ネコちゃんにも中性脂肪やコレステロールが上がってしまう【高脂血症】があります。
血液中の脂質が過剰に上がってしまうと様々なトラブルが続発するため、注意が必要です。

特に注意が必要な疾患として、【膵炎】があげられます。
膵炎は『腹痛』『嘔吐』『下痢』が主体であり、死亡率も非常に高い怖い疾患です。

さて、ワンちゃん・ネコちゃんの【高脂血症】でよく使う『リポクリン』という薬剤の製造が終了となりました。
ヒトの【高脂血症】でより良いお薬が開発されたため、リポクリンが中止になったようです。

ワンちゃんはリポクリンの代替薬があるため、ご心配は不要です。

ネコちゃんはリポクリンの代替薬がありません…。
今後は、ダイエット・内服・サプリなどで体質改善をしていくしかありません。

【高脂血症】は【脂質代謝異常症】へと病名も変わりましたが、名前の示す通り『脂質をうまく代謝できない』状況です。
つまり、体質を改善していくしかないということになります。
ヒトと同様に、生活や食事を工夫していく必要があり、そのためには保護者の知識と継続力が必要です。

ヒトとペットの高脂血症の比較

昔は、ワンちゃん・ネコちゃんの【高脂血症】は話題にすらあがりませんでした。
長生きできる子が増えてきたからこその『生活習慣病』です。
使える内服がなくなる今こそ、我が子のために本気を出しましょう!

獣医師 宮澤 裕