Author Archives: アイビースタッフ

大和市中央林間の動物病院、アイビーペットクリニックです。 当院のお知らせや、ペットの健康情報など、いろいろな情報をお伝えしていきます!

てんかんとは

みなさん、こんにちは。
獣医師の五十嵐です。

今回は神経・整形シリーズの第2回目として、『てんかん』とは何かについて取り上げます。

『てんかん』というのは病気の名前で、何らかの原因で『てんかん発作』を24時間異常の間をあけて、繰り返し起こしてしまうものを指します。
つまり、てんかん発作を起こす場合、病変部位は脳ということです。
この中でも脳に明らかな異常がある場合と無い場合があり、前者を『構造的てんかん』、後者を『特発性てんかん』と呼びます。
一般的には『特発性てんかん』を『てんかん』と呼ぶことが多いです。

『てんかん発作』というのは、脳の神経細胞の異常な興奮によってひき起こされる発作です。
また、『てんかん発作』が全身的に出るのか、体の一部にだけでるのかによって、『全般性発作』と『焦点性発作』に分けられます。

少し頭が混乱してきたでしょうか・・・

特に身体の一部だけに異常をきたす『焦点性発作』の存在を知っていただくと、今まで気づかれなかったてんかんの子をみつけることができるのではないかと思っています。
発作が軽いうちに治療を始めることで、後々大きな発作が起こって命を落とすリスクを下げられる場合もあります。

次回の私の担当の回は、てんかんの診断と治療について触れる予定です。

膵炎の死亡率と新しい療法食

ワンちゃん、ネコちゃんともに【膵炎】はよく出会う病気です。
しかし、あまり認識されていない病気でもあります。
また、ワンちゃんとネコちゃんで症状や背景などに多くの違いがあります。

《ワンちゃん》

嘔吐・下痢・腹痛が主症状であり、2019年の文献では初期死亡率も46.1%と報告されています。
2018年には、世界初となるワンちゃんの膵炎治療用の注射も開発されました。

【高脂血症】が膵炎の誘発因子として重要であるため、【膵炎】の治療および再発防止の観点から『低脂肪食』が非常に重要とされています。
ちなみに、中性脂肪が850以上になると【膵炎】の発症率が約5倍になることが知られています。
今月から流通が始まった《ストマックケア(低脂肪)》は嗜好性が良く、すでに大人気の低脂肪食です。

《ネコちゃん》

ワンちゃんと同様に、嘔吐・下痢が出る子は稀です。
なんとなく食欲がない、食欲にムラがあるなど、わかりにくい症状のみの子が多いです。
腹痛や吐き気があるものの、我慢してしまうようです。

実際に、何も症状のないシニアネコちゃんの18.8%が【膵炎】にかかっていたという報告も出ています。

また、【高脂血症】と関連があると考えられているものの、治療や再発防止の観点での食事管理としては、『消化性の高いフードが良い』『低アレルギー食が良い』と文献によってまちまちであり、統一見解がありません。

《重要な共通事項》

膵臓は食事中の脂肪分を分解できる唯一の内臓です。
そのため、脂質過剰な食事、無分別な食生活は膵臓への悪影響が強いと考えられています。
当然、品質の悪いフード、保管状態の悪いフードは、食事中の脂質が変性しているため、膵臓への負担が増すことが予想されます。
自己判断ではなく、医学的に高品質なフードが推奨されます。

また、【膵炎】が治りにくい子は、背景に黒幕となる疾患が隠れていることが多いです。
特に背景疾患として【腫瘍】が見つかることが非常に多いです。

《まとめ》

ワンちゃん・ネコちゃんともに、普段から高品質なフードを選んであげることが重要なようです。
そして、飼い主様の『なんとなく体調が悪い』と感じる感覚がとても大切です。
気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

獣医師 宮澤 裕

《参考文献(犬)》
Comparison of initial treatment with and without corticosteroids for suspected acute pancreatitis in dogs.

アイチェックしてみませんか?

皆さんこんにちは!今回は看護師の芳賀が担当します。

最近『我が子の視力が落ちた気がする』や『いつもと眼の大きさが違うかも』と思ったことはありませんか?
皆さんも我が子が明らかにいつもと様子が違うと分かれば、すぐに病院で診察を受けようと感じると思います。
しかし、眼の病気の中には、進行しないと症状が現れない病気もあるため気づきにくいです。
そして、気づいた時には視覚が失われていることも珍しくありません。

眼科疾患の好発犬種は以下の犬種があげられます。
・シーズー
・柴犬
・トイプードル
・ミニチュアダックスフンド

アイビーでは水曜日のお昼の時間に『アイチェック』を行っています。
アイチェックでは、一通りの眼科検査を一気に実施でき、眼科疾患の早期発見になります。
好発犬種の子たちは症状がなくても定期的に検査しておくことがオススメです!!
眼科を得意とする副院長が担当させていただきます。

『アイチェック』は事前にご予約が必要です。
予約はホームページの『アイチェック』からできます。(お電話でも対応可能です。)

定期的に検査をして、症状が進行する前に早期発見していきましょう!

次回は獣医師・阿部が担当します。お楽しみに!

ロイヤルカナンの値上げと新フードのご案内

今回の『ごはん通信』は

1.ロイヤルカナンの値上げ

ロイヤルカナン全製品が約6%の値上げとなります。
新価格は10月1日販売分からとのことです。
先日はヒルズ製品の価格改定がありましたが、同様に原材料と輸送費の上昇が原因とのことでした。

アイビーの《フードの日》は10%割引になるため、より一層ご活用いただければと思います。

2.各社の新フードのご紹介

《膵炎対策》
ワンちゃんの膵炎では低脂肪食の徹底が非常に重要です。
嗜好性が高いと人気のドクターズシリーズに低脂肪食のラインナップが増えます。
・『ストマックケア低脂肪』・・・10月5日から流通開始予定

《子犬・子猫》
おなかがまだ不安定な時期のため、下痢や嘔吐が少なくありません。
大人であれば短期間の栄養不足はあまり大きな問題となりません。
しかし、ちびっ子さんは大きな問題のきっかけとなる可能性があります。
下痢・嘔吐を繰り返す子にはとても良いフードです。
ドライだけでなく、缶詰(犬)とパウチ(猫)もあります。
・『消化器サポートパピー』
・『消化器サポートキトン』

動物医療の発展とともに、医薬品だけでなく新しいフードも開発されています。
医薬品ではなく、フードやサプリで体調が整えられたら理想的ですね。
根拠のある安全なものを選べるように、今後も情報をご提供していきます。

獣医師 宮澤 裕

狂犬病の済票が届きました

4月~8月に狂犬病予防接種の代行依頼をされた方の済票が揃いました。
ご都合の良いタイミングでお受取りください。

狂犬病予防接種は『接種』だけでなく、『登録』『首輪への装着』までが義務とされています。

また、今年は大和市から『狂犬病予防接種のお知らせ』が郵送されていません。
しかし、接種義務が免除になったわけではないのでご注意ください。
うっかり接種を忘れていた方も、これから接種することで罰則なしとなります。

病気や体調不良のために接種できない場合は、動物病院で『猶予証明書』を発行することで、今年のお注射を免除とすることも可能です。
体調などで接種を悩まれている方は、お気軽にご相談くださいね。

獣医師 宮澤 裕