誤食事故②レントゲンで見えないもの

おうち時間が増えている影響か、【誤食事故】が多発しています。
前回は【レントゲンで見えるもの】をご紹介しました。

今回は【パターン2:レントゲンで見えないもの】を2症例ご紹介します。

まずは1頭目のレントゲン画像を見てみましょう。

レントゲンでは異常な部位が見つかりません。
エコーで見ると胃の中に何かあるようです。
吐かせる処置で無事に『プラムの種』を吐き出してくれました。

2頭目のレントゲン画像も見てみましょう。

やはりレントゲンでは何も異常がなさそうです。
エコーで見ると、胃の中に何かウネウネしたものがありそうです。
エコーで消化管をみると、画像の右端のようにキラキラが画面の下方向に伸びていくのが正常です。異物があるとそこから下のエリアが真っ黒に見えます。
内視鏡で大量のサランラップが摘出できました。

レントゲン検査は、お腹全体の状況を把握したり、石や金属のような硬いものを評価することに向いています。

一方、エコー検査はお腹全体を把握することは不向きですが、硬くないものを見つけたり、臓器の動きを評価することに向いています。

いずれにしても《誤食事故》に関して重要なことは以下の
・誤食しそうなものはワンちゃん・ネコちゃんの届くところに置かない。
・誤食してしまったらすぐにご連絡をください。
・誤食したかも・・・という時もすぐにご連絡をください。
時間がたてばたつほど開腹手術による摘出が必要になってしまいます。

おうち時間が増え、ペットと過ごす時間が増えた方も少なくないと思います。
我が子と楽しい時間を過ごしましょうね!

獣医師 宮澤 裕