みなさん、こんにちは。
獣医師の五十嵐です。
私は神経疾患の患者さんを診させていただく機会が多いのですが、
今回のブログでは、神経検査って一体どんな検査をしているのかな?というのを一部ご紹介したいと思います。
まず、神経検査は眼でみて判断するものと、実際に身体に触れて判断するものとに分かれます。
前者は、実は診察室にお呼びして、わんちゃん・ねこちゃんをみたところから始まっています。
歩き方や姿勢、意識状態など、目で見たりお話をお聞きしたりするだけで得られる情報も多いので、ぜひお家での様子も詳しく聞かせてください。
けいれんや異常な行動などはスマートフォンで構いませんので、できる限り動画に撮っていただくととても助かります!
そして、実際に身体に触れる検査ですが、以下のような道具を使って実施します。
左のハンマーのようなものは”打診槌”と言います。
これで、わんちゃん・ねこちゃんの筋肉や腱を刺激して反射をみています。
そして中央の鉗子は、知覚や反射をみるのに使います。
また、右にあるようなライトを使う検査もあります。
少しわかりづらいですが、眩しそうで、瞳が小さくなっていますね。
これが正常な反射です。
上記のものはほんの1例ですが、このようにいろいろな項目をチェックしていくことで、
『脳や脊髄のどのあたりに異常があるのか』という、眼に見えない病変の位置を予測することができます。
そしてこの結果をふまえて、様子を見ていいのか、すぐに大学病院へ行った方がいいのかの判断をしています。
神経については、現在の獣医学でまだわかっていないことも多いのですが、1人でも多くの患者さんの不安を取り除けるように、これからも勉強していきます!