クッシング症候群の治療薬が値上げ!

【クッシング症候群】の治療薬が12月1日から値上げとなるようです。

今年は【クッシング症候群】の治療薬が長期間にわたって、国内での流通が止まってしまう時期がありました。
飲まないわけにはいかないお薬なので、手に入らずに困った病院さんも多かったようです。
現在は無事に流通していますが、物流の問題での価格高騰でしょうか…。

治療中のワンちゃんは少し早めに続きの分を補充しておかれると、治療費が少し抑えられるかもしれませんね。

さて、【クッシング症候群】の治療中ではない方は、『???』かもしれませんね。

お腹がぽっちゃり!
よく食べる!
お水をよく飲んで、オシッコもたっぷり!
元気いっぱい!

というワンちゃんを見かけたら、
『おぉ、元気だね!ちょっとダイエットしようか?』と思うのが普通ですよね。

でも、この4点は【クッシング症候群】でよくみられる症状なんです。
ググってみると『痒みのない脱毛』『皮膚の石灰化』『シッポの脱毛』なんて書いてないですか?
この3つの症状は獣医学生が、専門課程で習う典型的な症状です。

しかし、これらの症状がみられたら、すでにかなり進行した状況です!
現代人のググり病(←こんな言葉ないですか?)の怖い点で、真面目な方ほど古い情報や間違った情報を信じてしまう…。

動物医療は急速に進歩しているので、初期に発見できるんです。
【クッシング症候群】に至っては、発症前から発見可能!
文献的には、発症からの生存期間は約2年とされています。
でもアイビーの【クッシング症候群】の子達はみんな元気に長生きです。
だからこそ、お薬の価格高騰は困ってしまうのですが…。

動物病院は『病気をしたら行く』ところではなく、『病気なく元気に過ごす』ために活用するところです。
ハミガキ練習、体重管理、その子に応じた環境整備、問題行動やしつけの相談、各種勉強会など、気軽にお越しください。

獣医師 宮澤 裕