ペットと暮らすとアレルギーになりにくい!?

今回はヒトの医療情報のご紹介です。

ヒトの赤ちゃんの生後1年間にペットと暮らしていると、6~7歳でのアレルギー反応を起こす確率が低いという報告があります。
ペットは『犬』または『猫』という条件でした。
この年齢に絞って研究されたのは、『小児喘息』の素因としてのアレルギー感作と、小児期の環境の関係を調べるためだったようです。

興味深いのは、小児期にペットと暮らした方が、成長後のアレルギーを発症しにくい点だけでなく、ペットが1頭ではその効果が得られなかった点も興味深いです。

アレルギーの発症率に影響をもたらす因子として、他にも以下のものが関連していたようです。

《アトピーのリスク要因》
・親の喫煙
・親の喘息(遺伝的要因)
・寝室のダニのアレルゲンレベル(清潔な寝室か)

現在の生活では、一般家庭でも消毒の意識が高まり、多様な『抗菌グッズ』も当たり前になってきました。
そのような中で、『複数のペットと暮らすほうが、アレルギーを起こしにくくなる』という、とても興味深い研究論文でした。

《参考文献》
Exposure to dogs and cats in the first year of life and risk of allergic sensitization at 6 to 7 years of age

【論文の原文はこちら】

獣医師 宮澤 裕