Category Archives: ワンちゃん関連

新型コロナはペットに感染するのか

『新型コロナウイルスはペットに感染するの?』という問い合わせが非常に増えています。

香港でペットのワンちゃんから新型コロナウイルスが検出された!?
ベルギーでペットのネコちゃんから新型コロナウイルスが検出された!?
確かに、ペットと暮らす我々には怖いニュースです。
やはりペットに感染するのでしょうか。

現時点での答えは『新型コロナウイルスはペットに感染しない』です。

以前、ブログでご紹介したように、以下が主な理由です。
・ウイルスごとに感染できる動物種が決まっている
・ペットとヒトではコロナウイルスの属が異なる

世界小動物獣医師会(World Small Animal Veterinary. Association:WSAVA)の最新の報告でも、『感染しない』とされています。
もちろん、ウイルスがいつどのような変異を起こすかわからないため、
WSAVAでも『本件は急激な展開を見せることがある』としています。
つねに最新情報を把握しておきましょう!

《WSAVAの最新(3月20日)の発表はこちら》

そもそも、世界中で何万人ものヒトが感染していて、一緒に暮らすワンちゃん・ネコちゃんの2頭のみが感染するということはあるでしょうか。
すでにペットに感染できるように突然変異しているなら、ペットの感染例が多数報告されているはずです。
ペットが感染したのではなく、『ウイルスに汚染されていた』という表現が最も正しいように思います。

まずはご自身が感染して周囲に広げてしまうことのないように、手洗いやうがいなどの感染防御を徹底しましょう。

アイビーでは、最強の消毒液の1つである『バイオウィル』がスタッフとペットを守っています。
安心してご来院ください。

ご家族に免疫力の低下している方がおられるなど、しっかり消毒・殺菌したい場合にはオススメです。
医療用の消毒液なので、ペットにかけても問題はありません。
ご自宅でバイオウィルが必要な方のために、少量ですが入荷できました。
必要な方はお気軽にお声がけください。

※ご自身が『新型コロナウイルスに感染』している可能性がある場合は、ご来院前にご一報ください。

外出を自粛すべきこの時期だからこそ、ご自宅でワンちゃん・ネコちゃんとのスキンシップを楽しむ時期にしましょうね!

獣医師 宮澤 裕

フィラリア検査のシーズンです

暖かくなるとともにやってきました、フィラリア検査のシーズンです。
地方都市と異なり、『フィラリアなんているの?』と思っている方は多いかもしれません。

上記の画像にある『感染率22.7%』は『神奈川県』でフィラリア症を予防しなかったワンちゃんがフィラリアに感染した確率です。

今、ヒトで問題になっている『新型コロナウイルス』とは異なり、『100%予防できる感染症』です。
確実に予防しておきたいですね。

フィラリア症のお薬は月一回の投与です。
これは、フィラリアに感染しなくなる薬ではありません。
蚊に刺されて体内に注入されたフィラリアの幼虫を『体内で駆除』するお薬です。

体内に大量のフィラリア幼虫がいる状況で投薬すると危険です。
昨年の予防が確実にできていることを確認してから、今年のお薬を飲む必要があります。

ワンちゃんの年齢や、ご家族の方針に合わせて3段階の検査が選べます。
アイビーでは2019年は67.9%の方がお得なセット検査を選択されました。

《フィラリア検査の詳細はこちら》

検査やお薬で迷ったらお気軽にご相談ください。
※ネコちゃんはフィラリア症の予防薬の投与前に検査は必要ありません。

《ネコちゃんのフィラリア症はこちら》

獣医師 宮澤 裕

神経検査ってどんな検査?

みなさん、こんにちは。
獣医師の五十嵐です。

私は神経疾患の患者さんを診させていただく機会が多いのですが、
今回のブログでは、神経検査って一体どんな検査をしているのかな?というのを一部ご紹介したいと思います。

まず、神経検査は眼でみて判断するものと、実際に身体に触れて判断するものとに分かれます。
前者は、実は診察室にお呼びして、わんちゃん・ねこちゃんをみたところから始まっています。
歩き方や姿勢、意識状態など、目で見たりお話をお聞きしたりするだけで得られる情報も多いので、ぜひお家での様子も詳しく聞かせてください。
けいれんや異常な行動などはスマートフォンで構いませんので、できる限り動画に撮っていただくととても助かります!

そして、実際に身体に触れる検査ですが、以下のような道具を使って実施します。

左のハンマーのようなものは”打診槌”と言います。
これで、わんちゃん・ねこちゃんの筋肉や腱を刺激して反射をみています。

そして中央の鉗子は、知覚や反射をみるのに使います。

また、右にあるようなライトを使う検査もあります。
少しわかりづらいですが、眩しそうで、瞳が小さくなっていますね。
これが正常な反射です。

上記のものはほんの1例ですが、このようにいろいろな項目をチェックしていくことで、
『脳や脊髄のどのあたりに異常があるのか』という、眼に見えない病変の位置を予測することができます。
そしてこの結果をふまえて、様子を見ていいのか、すぐに大学病院へ行った方がいいのかの判断をしています。

神経については、現在の獣医学でまだわかっていないことも多いのですが、1人でも多くの患者さんの不安を取り除けるように、これからも勉強していきます!

【犬アトピー】のマメ知識

ワンちゃんの約14%がアトピー性皮膚炎にかかっていると報告されています。
特にラブラドール・レトリーバーや柴犬などでの発症が多いことが知られています。
今回はそんな『ワンちゃんのアトピー』に関する問題です。

《問題》
以下の4つの中で、ワンちゃんのアトピー性皮膚炎に関する正しい知識はどれでしょう?

《選択肢》
①チョコレート色のラブラドールは黒いラブラドールよりもアトピーが多い
②子犬の頃に『皮膚用のフード』を食べて育つと、生涯にわたってアトピーが減る
③成長期を郊外で過ごした犬は、都会育ちの犬よりアトピーが少ない
④布製のベッドなどを使っているとアトピーになりやすい

《正解》
①~④全て正しい!

実は①~④の全てが正しいという意地悪な問題でした。

ラブラドール・レトリーバーの中でも、チョコレート色の子は、黒い毛色の子よりもアトピーの発症率が1.94倍高いことが明らかになりました。
2440頭も集めた気合の入った報告です。

そして、成長期に『皮膚用のフード』を食べていた子は、成長期に『市販フード』を食べていた子よりも、【アトピー】の発症率が約1/4に減ることがわかっています。

また、2019年には、成長期に自然の多い地域で育ったワンちゃんは、都会で育ったワンちゃんよりも【アトピー】になりにくいことも明らかになりました。
この報告では『現在の環境 』 が自然が多いか都会かは関係がないことも合わせて報告されています。

②③は成長期の要因であるため、今となってはどうしようもありません。
しかし、④の『布製のベッド』や『布製のソファー』を使用していると【アトピー】になりやすい点は、これからでも改善が可能です。
これはハウスダストなどが布製品にたまってしまうことが要因と考えられるため、ベッドやソファーのカバーをたまに洗うなどの工夫で改善できそうです。

①は【アトピー】が遺伝的な要因を持っていることと関連しています。
一方、②~④の項目は環境的な要因も影響が強いことを示しています。
とても納得のいく情報だったので、意地悪問題としてご紹介しました。

お散歩仲間で『うちの子アトピーなの』というフレーズを聞くことは少なくないのではないでしょうか。
【犬アトピー性皮膚炎】は、皮膚病のうちの約14%程度であり、それほど多くありません。
【犬アトピー性皮膚炎】の診断は複雑なステップを踏んでやっとたどり着くものです。
自己判断でワンちゃんの生涯を痒くしないように、お気軽にご相談くださいね。

獣医師 宮澤 裕

参考文献
・2015 The effect of long-term feeding of skin barrier-fortified diets on the owner-assessed incidence of atopic dermatitis symptoms in Labrador retrievers.
・2019 Environmental risk factors for canine atopic dermatitis: a retrospective large-scale study in Labrador and golden retrievers.

《予約健診》のご紹介

アイビーは重い患者様が多いため、混雑することがあります。
お待たせする時間を短くするために、様々な取り組みをしています。

その中でも『待ち時間を短縮する効果』が最も高いのが、各種の《予約健診》です。
予約制なので、待ち時間がないことが最大のメリットです。
健康な子だけに限定されますが、以下のような際に大活躍しています。
・ワクチン
・狂犬病予防接種
・季節のセット検査
・検査結果のご説明
・手術後の抜糸
・ダイエットの経過チェック など
※担当医の指名ができない点はご了承ください。

《予約健診(昼)はこちら》
《予約健診(午後)はこちら》

《予約健診》の中でも【ねこタイム】と【アイチェック】は始まったばかりで、ご存じない方も多いようです。

【ねこタイム】はネコちゃん専用の《予約健診》です。
待ち時間がないだけでなく、この時間帯は待合室にもワンちゃんがいないため、ネコちゃんのストレスが非常に軽くなります。

《ねこタイムの詳細はこちら》

【アイチェック】は眼科関連の精密検査を予約制で一気に受けられます。
静かな環境で落ち着いて眼科検査を受けられるので、スムーズに進みます。
眼科を得意とする副院長が担当します。

《アイチェックの詳細はこちら》

体調の悪い子は、予約健診では対応できません。
なるべく早めに通常の診察にお越しくださいね。

フィラリア検査や狂犬病予防接種で混雑しやすい時期です。
ぜひアイビーの《予約健診》をご活用ください!

獣医師 宮澤 裕