Category Archives: ワンちゃん関連

『ドクターズ』シリーズのフードの価格改定があります

『ヨード卵・光』のメーカーがペットフードを作っているのをご存じでしたか?
しかも、非常に信頼度も医療効果も高いシリーズを生産しています。
(ペットフード部門はペットライン株式会社として独立しました)

フードの開発には、天才と名高い宮崎大学の鳥巣教授*がかかわっています。
通常は獣医師がアドバイスをする程度ですが、完全に鳥巣教授が主導での開発を行っているまれなケースです。
実際に、臨床の現場でも非常に高い効果を実感しています。
 *2021年4月からは酪農学園大学の教授として赴任されます

この『ドクターズシリーズ』は、病気の子が食べる『療法食クラス』だけでなく、健康な普段から使える『病院扱いの一般食クラス』も低価格で高品質なのが魅力です。

4月から『療法食クラス』の値上げがあるようですが、『病院扱いの一般食クラス』の価格は据え置きとのことでした。

『療法食クラス』の価格の変動を調べたところ、製品によって4.0~7.7%の価格の上昇があります。
特に以下の製品は価格の上昇率が大きいので、食べているワンちゃん・ネコちゃんは3月中に多めにお受け取りいただくと良いと思います。

【価格の上昇率の大きい製品】
《ワンちゃんフード》
・アミノプロテクトケア えんどう豆
・ストマックケア低脂肪
《ネコちゃんフード》
・キドニーケア フィッシュテイスト
・キドニーケア チキンテイスト

健康な体は良質なフードから作られるのは、ヒトもペットも同じです。
【医食同源】というのは本当に良い言葉だと思います。
フードが10%割引きになる《フードの日》をご活用ください!

《アイビーのフードの日のご案内はこちら》

獣医師 宮澤 裕

ペットと暮らすとアレルギーになりにくい!?

今回はヒトの医療情報のご紹介です。

ヒトの赤ちゃんの生後1年間にペットと暮らしていると、6~7歳でのアレルギー反応を起こす確率が低いという報告があります。
ペットは『犬』または『猫』という条件でした。
この年齢に絞って研究されたのは、『小児喘息』の素因としてのアレルギー感作と、小児期の環境の関係を調べるためだったようです。

興味深いのは、小児期にペットと暮らした方が、成長後のアレルギーを発症しにくい点だけでなく、ペットが1頭ではその効果が得られなかった点も興味深いです。

アレルギーの発症率に影響をもたらす因子として、他にも以下のものが関連していたようです。

《アトピーのリスク要因》
・親の喫煙
・親の喘息(遺伝的要因)
・寝室のダニのアレルゲンレベル(清潔な寝室か)

現在の生活では、一般家庭でも消毒の意識が高まり、多様な『抗菌グッズ』も当たり前になってきました。
そのような中で、『複数のペットと暮らすほうが、アレルギーを起こしにくくなる』という、とても興味深い研究論文でした。

《参考文献》
Exposure to dogs and cats in the first year of life and risk of allergic sensitization at 6 to 7 years of age

【論文の原文はこちら】

獣医師 宮澤 裕

【重要】w/d(犬用)がリニューアルします。ご注意ください!

近年の療法食は、以前と比べてとても美味しくなっています。
機能面でも、病気の治療や再発防止の効果を強く実感できるもが多々あります。

しかし、厳密には『療法食』は『総合栄養食』ではありません。
特定の疾患をケアするために、栄養を極端に偏らせたフードなので、
当然ですがそのデメリットもあります。

獣医師の判断のもと、選択すべきものです。

最近の療法食は複数の特徴を併せ持ったものが多く、私たちも勉強が大変です。
アイビーの獣医師・看護師は全員がロイヤルカナンのフードマイスター資格と、
ヒルズのフードアドバイザー資格を取得しています。

※1年目のスタッフは、毎月ロイヤルカナンの獣医師から栄養学のセミナーを受けています。
4月には、資格試験を控えており頑張って勉強中です!

今回、【ヒルズのw/d(犬用)】で重要な成分変更がありました。

w/dは以下のような特徴を持っていました。
・高繊維
・低脂肪
・糖質の吸収が穏やか
・低カロリー
・消化管の調子を整える

新w/dでは、脂質とカロリーが上がります。
これまで【高脂血症】【膵炎】【ダイエット】で使用していたワンちゃんは、
期待していた効果が得られなくなるため、フードの変更が必要です。

リニューアルしても『w/d』自体は非常に高性能なフードです。
療法食全体に共通ですが、療法食は正しく使わなければ我が子に害になる可能性もあります。

アイビーでw/dを食べているワンちゃんは全員ピックアップ済なので、
診察の際に適したフードを順次ご案内していきます。もし、自己判断で『w/d』を与えている方がおられたら、ぜひご相談ください。

フード選びは我が子を健康に保つための重要な要因です。
できるだけ自己判断とならないよう、お気軽にご相談くださいね。

4月には【フードの”正しい”選び方セミナー】もあります。
ぜひご参加ください!

【フードの”正しい”選び方セミナー】

獣医師 宮澤 裕

肥満は”病気”です!

ぽっちゃりしたワンちゃん・ネコちゃんは可愛いですよね。
でも、寿命が縮まるだけでなく、様々な病気の発症リスクが高まることが知られています。

上図のように、心臓病や糖尿病の発症率が劇的に跳ね上がります。
当然、肥満体型の子は、関節を痛める確率も高くなります。

加齢とともに関節が痛くなるのは当たり前…と思ってはいけません。
老後もヨチヨチお散歩したり、日向ぼっこできるのか、
手足が痛くて寝たきりになってしまうのか、大きな違いです!

しかし、ひたすら運動するようなダイエットは関節を痛めます。
間違った栄養制限は、内臓を痛めます。
『ダイエット』『関節ケア』『栄養管理』は密接に関連した奥深いテーマです。

3月7日(日)には、【関節ケアとダイエット】のセミナーがあります。
ぽっちゃりペットと暮らしている方はぜひご参加ください!

【関節ケアとダイエット】

獣医師 宮澤 裕

バイオマーカーって!?

外部の検査センターで計測する『バイオマーカー』のうちいくつかの価格が上がるようです。
対象となるバイオマーカーのうち、アイビーで使用しているものは以下の2つです。

心臓マーカー:NT-pro BNP(5,475円へ)
腎臓マーカー:SDMA(3,000円へ)

同じ子が頻繁に計測することはないのですが、便利な検査だけに価格が上がるのは残念ですね。

そもそも、『バイオマーカー』とはどのようなものなのでしょうか。

通常、病気の診断や進行度の把握のためは、血液検査やエコー検査などさまざまな検査を組み合わせる必要があります。

少量の血液や尿だけで、特定の病気の重症度を数値化するタイプの検査をバイオマーカーと呼びます。
ヒトであれば、『がんマーカー』や『糖尿病マーカー』が耳慣れているのではないでしょうか。

ワンちゃん、ネコちゃんにも多くのバイオマーカーがあります。
早期発見が重要な腎臓病、心臓病、がんのマーカーは非常に重要です。
今回は、代表として腎臓マーカーのSDMAをご紹介します。

一般的な血液検査では、腎臓病は『腎機能が25%まで低下』しないと検出できません。
一方、腎臓マーカーを計測することで『腎機能が60%まで低下』した段階で検出が可能です。

腎臓病は治すことができないため、まだ腎機能が残っているうちに検出できると、その後の人生において非常に有利になります。
検出できるタイミングが従来の検査よりもどのくらい早いかというと…
ワンちゃんで約10か月、ネコちゃんで約17か月も早く見つけられます!

これだけ早く病気を見つけて先手を打てると、老後が大きく変わってきます。
バイオマーカーを上手く活用することで、病気で苦しまない老後にしたいですね!

獣医師 宮澤 裕