Monthly Archives: 3月 2020

アイビーでの獣医師の勉強会

皆さんこんにちは。
獣医師の遠洞です。

暖かい日が増えて、過ごしやすい季節になりましたね。
我が家の猫たちも、布団にもぐらずクッションの上で眠るようになりました。

2人でぐっすり寝ています

さて、最近のコロナウイルス騒動でたくさんのイベントが中止や延期になっていますね。
実は、獣医師向けの勉強会も同じように中止になっているものが多く、楽しみにしていた講座が聞けない!なんてこともありました。

アイビーでは、新たな獣医療情報を仕入れるために、全員が積極的に勉強会などに参加をするようにしています。
また、お昼休みの時間などを利用して、獣医師全員でその日の診療の情報交換をしたり動画セミナーを見て勉強をする時間を作るようにしています。
(あらためて現地に行かずとも情報が仕入れられる動画セミナーのありがたみを感じています・・・)

セミナー動画で勉強中

獣医師にとっても情報を再確認する良い機会になるので、診察の際には何でも遠慮せずご質問ください!

【犬アトピー】のマメ知識

ワンちゃんの約14%がアトピー性皮膚炎にかかっていると報告されています。
特にラブラドール・レトリーバーや柴犬などでの発症が多いことが知られています。
今回はそんな『ワンちゃんのアトピー』に関する問題です。

《問題》
以下の4つの中で、ワンちゃんのアトピー性皮膚炎に関する正しい知識はどれでしょう?

《選択肢》
①チョコレート色のラブラドールは黒いラブラドールよりもアトピーが多い
②子犬の頃に『皮膚用のフード』を食べて育つと、生涯にわたってアトピーが減る
③成長期を郊外で過ごした犬は、都会育ちの犬よりアトピーが少ない
④布製のベッドなどを使っているとアトピーになりやすい

《正解》
①~④全て正しい!

実は①~④の全てが正しいという意地悪な問題でした。

ラブラドール・レトリーバーの中でも、チョコレート色の子は、黒い毛色の子よりもアトピーの発症率が1.94倍高いことが明らかになりました。
2440頭も集めた気合の入った報告です。

そして、成長期に『皮膚用のフード』を食べていた子は、成長期に『市販フード』を食べていた子よりも、【アトピー】の発症率が約1/4に減ることがわかっています。

また、2019年には、成長期に自然の多い地域で育ったワンちゃんは、都会で育ったワンちゃんよりも【アトピー】になりにくいことも明らかになりました。
この報告では『現在の環境 』 が自然が多いか都会かは関係がないことも合わせて報告されています。

②③は成長期の要因であるため、今となってはどうしようもありません。
しかし、④の『布製のベッド』や『布製のソファー』を使用していると【アトピー】になりやすい点は、これからでも改善が可能です。
これはハウスダストなどが布製品にたまってしまうことが要因と考えられるため、ベッドやソファーのカバーをたまに洗うなどの工夫で改善できそうです。

①は【アトピー】が遺伝的な要因を持っていることと関連しています。
一方、②~④の項目は環境的な要因も影響が強いことを示しています。
とても納得のいく情報だったので、意地悪問題としてご紹介しました。

お散歩仲間で『うちの子アトピーなの』というフレーズを聞くことは少なくないのではないでしょうか。
【犬アトピー性皮膚炎】は、皮膚病のうちの約14%程度であり、それほど多くありません。
【犬アトピー性皮膚炎】の診断は複雑なステップを踏んでやっとたどり着くものです。
自己判断でワンちゃんの生涯を痒くしないように、お気軽にご相談くださいね。

獣医師 宮澤 裕

参考文献
・2015 The effect of long-term feeding of skin barrier-fortified diets on the owner-assessed incidence of atopic dermatitis symptoms in Labrador retrievers.
・2019 Environmental risk factors for canine atopic dermatitis: a retrospective large-scale study in Labrador and golden retrievers.

*トリミングのお友達ご紹介コーナー*

あおちゃん(上)と赤ちゃん(下)
同じお家の子です♪
頭のおリボンかわいいでしょう?
こちらはナナちゃん♪
おくち周りまんまるでしょう?かわいいほっこりします*

こめすけちゃん♪
大変だったけどよく頑張ってくれたね!
さっぱりと過ごしやすくなったと思います!

こちらはシュナウザーのベスちゃん♪
シャンプーの姿がかわいくてこのお写真をベストショットにしました☆
今日も体調不良なく頑張りましたね!

ベスちゃん仕上がり♪
シュナのお口回り、魅力的☆彡


寒くなったり、暑くなったりでトリミングのタイミングを見計らうのが難しい時期かとは思いますが、周期的にトリミングをしてあげましょうね!
目安はカット犬種は最長でも2ヶ月を超えないように。
シャンプー犬種は1ヶ月~1ヶ月半に1回のご利用でいつもキレイを保つことができると思います!また、たくさん来てくださっている子はトリミングへ慣れが出てきます。
めったに来ないようだと、毎回が初回のようでワンちゃんも緊張がほぐれにくいです。

是非みなさまのご予約・お問い合わせをお待ちしております。

アイビーペットクリニック・トリミングよりおしらせでした☆彡

《予約健診》のご紹介

アイビーは重い患者様が多いため、混雑することがあります。
お待たせする時間を短くするために、様々な取り組みをしています。

その中でも『待ち時間を短縮する効果』が最も高いのが、各種の《予約健診》です。
予約制なので、待ち時間がないことが最大のメリットです。
健康な子だけに限定されますが、以下のような際に大活躍しています。
・ワクチン
・狂犬病予防接種
・季節のセット検査
・検査結果のご説明
・手術後の抜糸
・ダイエットの経過チェック など
※担当医の指名ができない点はご了承ください。

《予約健診(昼)はこちら》
《予約健診(午後)はこちら》

《予約健診》の中でも【ねこタイム】と【アイチェック】は始まったばかりで、ご存じない方も多いようです。

【ねこタイム】はネコちゃん専用の《予約健診》です。
待ち時間がないだけでなく、この時間帯は待合室にもワンちゃんがいないため、ネコちゃんのストレスが非常に軽くなります。

《ねこタイムの詳細はこちら》

【アイチェック】は眼科関連の精密検査を予約制で一気に受けられます。
静かな環境で落ち着いて眼科検査を受けられるので、スムーズに進みます。
眼科を得意とする副院長が担当します。

《アイチェックの詳細はこちら》

体調の悪い子は、予約健診では対応できません。
なるべく早めに通常の診察にお越しくださいね。

フィラリア検査や狂犬病予防接種で混雑しやすい時期です。
ぜひアイビーの《予約健診》をご活用ください!

獣医師 宮澤 裕

『アニコム』からの重要なお知らせ

アニコムが期間限定で『ペットと同伴しなくてもOK』

どうぶつ保険のアニコムさんから重要なお知らせが届きました。

期間限定で『ペットが同伴しなくても保険適用してOK』とのことです。

これまで、アニコムに加入されている方は、ペットが診察を受けていない場合は保険が使えませんでした。
すなわち、生涯にわたって内服が必要な子も、飼い主様だけでのお薬のお受取りは自己負担となっていました。

確かに、ペットの体調を診ずに漫然と内服を処方するのは危険です。
良心的な部分もあるのですが、体調の不安定な子の頻繁なご来院も恐い部分があります。

アニコムさんによると、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための特例とのことです。
特例の認められる期間は2月25日(火)~3月31日(火)まで*という案内が、3月10日(火)に届いたことが残念です。
 *期間延長の可能性ありとのこと。詳細はアニコムさんにお問い合わせください。

アニコム加入者の皆様にはご連絡が行き渡っていたと信じて、念のための情報共有です。

持病をもち、継続してお薬が必要なワンちゃん・ネコちゃんは、この期間中は飼い主様だけでのお薬のお受取りが『保険適用』となります。
上手にご活用くださいね。

獣医師 宮澤 裕