みなさん、こんにちは。
獣医師の五十嵐です。
今回から、私の担当回では、よくある神経・整形疾患について紹介していきます。
第1回目として、いずれにもありうる”歩き方の異常”について取り上げます。
同じ「歩き方がおかしい」という症状でも、《神経疾患》と《整形疾患》では以下のような異なる特徴があります。
《神経疾患》
麻痺、運動失調がみられます。
これは、足を引きずって歩いたり、ふらついたりします。麻痺は運動神経の異常、運動失調は感覚神経の異常で認められますが、両方同時に起こっていることもあります。
《整形疾患》
跛行がみられます。
これは、いわゆる”びっこ”です。ヒョコヒョコしていたり、足を挙上してしまったりします。
上記のように、歩き方をみるだけで神経学的な問題なのか、整形外科学的な問題なのかをざっとふるい分けることができます。
場合によっては歩き方だけで大体どのあたりが痛そうなのかまで予想することもできます。
逆に言うと、歩き方の確認が出来ないと、これだけの情報が手に入らないことになってしまいます。
病院に来ると、緊張して歩かなくなってしまう子や、へっぴり腰になってしまう子が多いので、お家での歩き方を動画に撮っていただけると、診断の補助としてとても助かります。