Daily Archives: 2021年6月8日

医療機器のご紹介(エコー)

アイビー自慢の医療機器の中から、今回は《超音波診断装置》をご紹介します。
いわゆる《エコー》ですね。

エコーというと、ヒトの妊婦さんの検査がイメージしやすいかもしれません。
お腹の中で赤ちゃんが動いている様子を確認するような検査なので、以下のような特徴があります。

【エコー検査の特徴】
《メリット》
 ・体への負担がない
 ・体の中を透かして見える
 ・下準備なしですぐに実施可能
《デメリット》
 ・局所は把握できるが、広範囲の全体像は把握しにくい
 ・検査者の技術力が強く反映される
 ・検査機器の解像度が強く反映される

院長が【がん】の認定医ということもあり、体内の数ミリの異常な構造を見逃さないようにこだわっています。

そして、今回の本題ですが、エコー検査の機械も現時点で最新の『ARIETTA 65V』という機種を使用しています。
スマートフォンなどもそうですが、精密機器の進歩の速さには目を見張るものがありますが、エコー機器の進歩も尋常ではありません。
医療機器メーカーさんの努力には、本当に頭が下がります。

ARIETTA 65Vのスペックはこちら

医療機器はケチらずこだわって選定しているので、以前はぼんやりしか見えなかった異常な構造がくっきり見えます!

画像の明瞭さは『クッシングの早期発見』の回をご参照ください!

ペットの死因の約半分は『がん』という時代になりました。
これはヒトと同じですね。
シニア期のペットの体内に、『もともとはないはずの何か』ができていないか、みてあげると安心ですね!

獣医師 宮澤 裕

クッシングの早期発見のために

前回は、クッシング症候群の治療薬の一部が流通していないことをご案内しました。
この【クッシング症候群】は非常に身近な疾患でありながら、発見されずに見逃されていることが多い疾患です。
それは『症状』が特殊だからです。

主に以下のような症状がみられます。
・よく食べる(多食)
・よく飲む(多飲多尿)
・お腹が張る(腹囲膨満)

一般的な感覚では、『うちの子はシニアなのによく食べて太っちゃって困るわ♪』と感じるはずです。
実際に『元気なシニア!』という子もいると思いますが、【クッシング症候群】の症状かもしれません。

その背景では、以下のような恐ろしいことが起こっています。
・免疫力の低下
・筋力の低下
・血栓症リスクの上昇
・血圧の上昇
・肝臓を中心とする臓器障害 などなど

散歩仲間で『元気だった子が急に亡くなった』という話を聞いたことはありませんか?
突然死を起こす病気の多くは『なんとなく元気がない』『ちょっと興奮すると席をする』などのサインがあります。
【クッシング症候群】は上記のように『元気に見える』ため、症状からの発見は困難です。

【クッシング症候群】を早期発見するポイントは……副腎のエコー検査です。

通常の副腎は左右ともに3~4mmの大きさですが、体格による誤差はありますが約6mmを超えると【クッシング症候群】を疑うことになります。

2021年の文献でも、副腎が既定の大きさを超えた場合の【クッシング症候群】の『診断精度は95.6%』と報告されています。

ワンちゃんの体内のたかだか数ミリの臓器を正確に描出する技術と検査機器がそろっていることが必要です。
エコー検査は痛くもなく、費用も高くありません。
【クッシング症候群】を疑う所見があったら気軽にエコーを見てみましょう!

獣医師 宮澤 裕

《参考文献》
2021 Ultrasound evaluation of adrenal gland size in clinically healthy dogs and in dogs with hyperadrenocorticism
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